抜け毛
女性の抜け毛には病気が隠されていることも!考えられる病気とは
しかし、その髪の毛というのはちょっとした体質の変化や環境ストレスによってすぐにダメージを受けてしまうもの。そうしたダメージの中でも、男女問わず頭を悩ませるのが「抜け毛」による薄毛や髪質の変化です。
生活習慣を見直せばある程度は緩和されることの多い抜け毛ですが、実はその抜け毛というのが「病気によって引き起こされている」症状のひとつであることもあります。
抜け毛を引き起こす病気にはいくつか種類があります。どういった病気があるのかをご紹介いたします。
要注意!改善されない脱毛には病気の影が潜むことも
抜け毛が起きた時、最も心配されるのがこの「脱毛を起こす可能性のある病気」ですよね。生活習慣やヘアケア方法などをきちんと正しても改善されない場合、自分の力ではどうしようもない疾患のサインである可能性も否定は出来ません。
婦人科系疾患
女性ホルモンのバランスの乱れを最も呼びやすい病気とすれば、やはりなんらかの婦人科系疾患が真っ先に考えられます。
特に、髪を育成する女性ホルモン「エストロゲン」は卵巣から分泌されるホルモン。卵巣に何らかの異常が起こった場合、このエストロゲンの供給を停止してしまうことによって極端な脱毛症状が起こる場合があります。
- 卵巣のう腫
- 子宮筋腫
- チョコレート嚢胞 など
卵巣機能を低下させてしまう病気は他にも沢山あります。また、月経中やその前後に強い痛みや発熱、あるいは月経期が不定期であるなどのPMS(月経困難症)の症状がある場合にも卵巣の病気が隠れていることがあります。
2年に1度は必ず婦人科系のクリニックを受診し定期健診を受ける習慣をつけ、異変を感じたらすぐに医師の診断を仰ぐようにして下さい。
甲状腺疾患
この甲状腺に異常が起こると、ホルモンの分泌量が不足する、あるいは過剰になるという状態になることがあります。甲状腺ホルモンは出過ぎても足りなくても全身性の諸症状を呼び、その中には発毛・育毛も含まれています。
甲状腺の疾患としては次のような疾病があります。
- 橋本病
- バセドウ病
- 甲状腺炎
- 甲状腺腫瘍や悪性リンパ腫
特に橋本病やバセドウ病は女性の患者のほうが多いと言われています。その他の症状としては体力の低下や更年期障害のような火照り、発汗、倦怠感や発熱、首の腫れなどが起こります。
お薬などで緩和される場合もありますので、おかしいなと感じたら内分泌科などを受診してください。
膠原病などの自己免疫疾患
発熱や継続する微熱、体の痛みや腫れ、変形など様々な症状があり、特徴的な症状も個人差が大きいため、中には顕著な脱毛が起きてしまうという人もいます。
特に【全身性エリテマトーデス(SLE)】という自己免疫疾患の場合、免疫が自分の毛根の細胞を異物と誤認し攻撃してしまうことで脱毛症状が起こる場合があります。
また、強皮症という自己免疫疾患の場合、症状が頭皮に出現すると脱毛症状が起こることがあります。
これ以外に、膠原病や自己免疫疾患を緩和させるための治療薬の副作用として脱毛が起こることもありますので、きちんとした診断と処方が必要となります。内科や膠原病内科、内分泌科などでしっかりと診察を受けるようにしましょう。
若い女性にも多い鉄欠乏性貧血
思春期の女性でも患者数が急増しているとして、厚生労働省も注意喚起を促しているのが鉄欠乏性貧血症です。
鉄分が不足しているために血中が慢性的な栄養欠乏(栄養失調)の状態になり、髪や頭皮にまで必要な栄養素を供給できないために毛根がやせ衰え、抜け落ちてしまうというのが原因です。
鉄欠乏性貧血は体質はもちろんのこと、過度なダイエットでも発症しますし、過剰なストレスと同時に起こる【摂食障害】などでも併発することが多くあります。
過度なストレスや自律神経失調症
身体的な病因の他、精神的な疾患によっても脱毛が起こる場合があります。
若い人にも非常に多いのが過剰なストレスによる自律神経失調症、またはうつ病といった疾患による脱毛です。
その症状の中には髪に栄養のある皮脂や血液が届かなくなるというものもあり、全体的な脱毛(びまん性脱毛症など)や部分的脱毛(円形脱毛症など)が起こることがあります。
たかが抜け毛と甘く見ないことが大切
人は誰しも年を取ります。年を取れば細胞は衰え、髪や肌にも年齢が現れてきますし、それはとても自然なことです。
ですが、「急速に細胞を劣化する」という場合には何らかの原因が他にあることが大変多くあります。
こうした場合はセルフケアだけでは対処が難しいことが多くありますので、医師や専門家のアドバイス、処方薬の力を借りるのが自分にとっても楽な道になります。それと同時に生活の見直しを行えば相乗効果も期待が出来ますよね。
髪は自分の体の一部です。だからこそ、異変は体から発せられる何らかのSOSである可能性を無視せず、真正面から向き合うことが大切です。それが自分の体を守るということなのです。