頭皮トラブル
頭皮の病気「脂漏性皮膚炎」の症状は?原因や予防法を紹介
多くの人が「皮脂が余分に出ただけかな」と、あまり気にせず、毎日のシャンプーで頭皮の皮脂を洗い落とせば症状も治まると思っています。
しかし、頭皮の皮脂が過剰分泌されると頭皮に様々な症状が出てきます。その中で特に多いのが、「脂漏性皮膚炎」です。
脂漏性皮膚炎は、男性に多い症状と言われていましたが今では多くの女性が脂漏性皮膚炎で悩んでいます。
脂漏性皮膚炎になると、どういった症状が出てくるのでしょうか。
毎日の生活で脂漏性皮膚炎にならないように予防をする方法や、症状を緩和する方法はあるのでしょうか。
Contents
これも予兆!?脂漏性皮膚炎で引き起こされる症状
頭皮がベタついたからといって、すぐに脂漏性皮膚炎になるというわけではありません。
脂漏性皮膚炎になると、頭皮のベタつきだけではなく様々な症状が出てきます。その中でも、特に多い症状をいくつか紹介します。
その1.頭皮にベタつきがありフケが出やすくなる
脂漏性皮膚炎の1番の特徴は、頭皮のベタつきです。日中、頭皮を触ってベタつきがあるのは汗などが原因の可能性があります。
しかし、脂漏性皮膚炎の場合は常に頭皮にベタつきがあり、シャンプーをしてもしばらくすると皮脂が分泌されて頭皮にベタつきが出てきます。
またフケも特徴の1つです。フケというと、粉のようなポロポロとしたものがほとんどです。
このポロポロとした粉のようなフケは頭皮の乾燥や、角質によって出てきます。
しかし、脂漏性皮膚炎が原因のフケは、ポロポロとしたものではなく大きな塊のようになっているのが特徴です。
最初は部分的なフケですが、症状が進行していくと頭皮全体がフケで覆われてしまうこともあります。
その2.皮脂が酸化して頭皮から独特のニオイがしてくる
皮脂が分泌されても、シャンプーで綺麗に洗い落とされていればニオイは出てきません。
しかし、脂漏性皮膚炎の場合はシャンプーをしても皮脂が過剰分泌されるため、頭皮に皮脂が残ってしまいます。
この皮脂が酸化すると、独特なニオイを発します。よく「加齢臭」と言いますが、これも皮脂の酸化が原因で起こります。
脂漏性皮膚炎になると、年齢関係なく頭皮から加齢臭に煮た独特のニオイがしてきます。
その3.頭皮が炎症を起こしかゆみやかさぶたができる
脂漏性皮膚炎の症状が進行してくると、頭皮に湿疹ができます。湿疹ができると炎症を起こしたりかゆみに繋がります。
かゆみが出てくると、どうしても掻いてしまいます。かゆいからといって掻き毟ってしまうと炎症が悪化してかさぶたが出来てしまいます。
かさぶたが出来ると、その部分が常に常に炎症状態になってしまいかさぶたも一向に治らないこともあります。
頭皮の湿疹は、アレルギーや外的刺激が影響で出来ることもあるため、脂漏性皮膚炎と気づかないこともあります。
湿疹やかゆみがあり、頭皮にベタつきがある場合はアレルギーなどではなく、脂漏性皮膚炎の可能性が高くなります。
その4.脂漏性皮膚炎が原因で髪や頭皮にも悪影響を与える
皮脂が過剰分泌されるため、頭皮の毛穴にも皮脂が詰まりやすくなります。
毛穴に常に皮脂が詰まっていると、生えてくる髪が細くうねりのあるものになってしまいます。
また、頭皮に炎症が起こり、かさぶたが出来るとそれが原因で抜け毛が増えることもあります。
一時的な抜け毛で症状が治まることもありますが、脂漏性皮膚炎の症状が悪化すると、抜け毛が進行して薄毛になったり、頭皮環境の悪化で脱毛することもあります。
皮脂だけが原因ではない!?脂漏性皮膚炎になる原因
脂漏性皮膚炎は、頭皮のベタつきが関係しているため皮脂だけが原因と思われています。
そのため、毎日シャンプーをして頭皮の皮脂をこまめに洗い落とせば大丈夫と思われています。
脂漏性皮膚炎になる原因には、どういったものがあるのでしょうか。
その1.1番の原因は「皮脂」!皮脂の過剰分泌の原因を知ることが大事
脂漏性皮膚炎の1番の原因は、やはり皮脂の過剰分泌です。
皮脂が過剰分泌される場合、洗い落としてもすぐに分泌されるので、皮脂が過剰分泌される原因と知ることが大事です。
皮脂の過剰分泌の原因には、次のようなものがあります。
- ホルモンバランスの乱れ
- シャンプーの仕方
- 食生活の乱れ
- 睡眠不足
- ストレス
この中でも、特に食生活が原因で皮脂の過剰分泌を引き起こすケースが増えています。次のようなものを多く摂取していると、皮脂の過剰分泌に繋がります。
- 脂っこいもの
- スナック菓子
- 甘いもの
- 刺激のあるもの(辛いものやカフェイン)
上記のようなことが原因で、皮脂が過剰分泌している場合は、シャンプーをしても症状が治まらないので注意が必要です。
その2.頭皮にあるカビ菌の繁殖で炎症が起こる
頭皮には、「マラセチア菌」という常在菌があります。この菌は皮脂や汗を好むため、皮脂が過剰分泌されると一気に増殖します。
マセラチア菌が増殖する時に皮脂を分解し、炎症の原因となる遊離脂肪酸に物質を変えてしまうため、頭皮に炎症が起こります。
このマセラチア菌は常在菌のため、みんなが持っているものでエサになる皮脂が過剰分泌しない場合は増殖しません。
毎日の生活で改善!脂漏性皮膚炎の対処法・予防法
脂漏性皮膚炎は、皮脂の過剰分泌を抑えることで症状を改善することができます。また、皮脂の過剰分泌も、毎日の生活を見直すことで抑えることができます。
脂漏性被支援の対処、予防をするには、次のようなことに注意が必要です。
その1.頭皮に優しいシャンプーを選ぶ
皮脂が過剰分泌されると、それを洗い流そうとどうしても洗浄力の強いシャンプーを選んでしまいます。
洗浄力の強いシャンプーは一見、良さそうに思いますが、洗浄力の強さが原因で頭皮に負担をかけて皮脂の過剰分泌に繋がることもあります。
脂漏性皮膚炎の場合、シャンプーは頭皮に優しいものを選ぶ必要があります。
- アミノ酸シャンプー
- 無添加シャンプー
- 抗真菌剤配合シャンプー
- かゆみを予防するシャンプー
頭皮にベタつきがあるけれど、まだ炎症がほとんど出ていないという場合は、アミノ酸シャンプーや無添加シャンプーで頭皮の余分な皮脂を落としていくことで予防や対処になります。
すでに炎症が起こっていてかゆみなどがある場合は、菌の繁殖を抑える抗真菌剤配合シャンプーや、かゆみを抑えてくれるシャンプーがオススメです。
抗真菌剤配合シャンプーやかゆみ予防シャンプーでも、低刺激のものを選ぶようにしましょう。
その2.洗いすぎない!正しいシャンプーをする
皮脂がベタついていると、どうしても皮脂を取りたいと洗いすぎることがあります。その中でも特に多いのが、1日に複数回シャンプーをすることです。
スタイリング剤をたくさん使ったり、汗を大量にかいた場合は、入浴時に2回程度シャンプーをすることは問題ありません。
しかし、汗もそこまでかいてないのに入浴時に2回シャンプーをしたり、寝ている間の汗が気になるからといって朝と夜にシャンプーをするのは洗いすぎになります。
ベタつきが気になるからといって何度もシャンプーをしていると今度は頭皮に必要な皮脂まで奪われてしまい、頭皮が皮脂不足と感じて皮脂を過剰分泌してしまいます。
シャンプーをする際は、次のような方法で行いましょう。
- 洗髪前にブラッシングをして髪のもつれを解消しておく
- 36~38度のぬるま湯でしっかりと予洗いをする
- 適量のシャンプーを手のひらや泡立てネットで泡立て、泡を頭皮にのせる
- 指の腹を使い、マッサージするように優しく洗う
- シャンプーした時間の2倍の時間をかけてしっかりとシャンプーを洗い流す
- コンディショナーやパックは毛先のみに使い頭皮にはつけない
シャンプーをした後、すすぎが悪いと石鹸カスが頭皮に残ります。これも常在菌のエサになるのでしっかりと洗い流しましょう。
目安は、シャンプーの時間の2倍の時間をかけてすすぎをすることです。これは美容師さんに教えてもらいましたが、そのくらい丁寧にすすぐことが大事だそうです。
その後、髪をすぐに乾かすことも大事です。髪や頭皮がずっと濡れていると雑菌が繁殖して頭皮環境を悪くします。
シャンプー後はすぐにタオルドライをしてドライヤーで髪を乾かすようにしましょう。
その3.質の良い睡眠をとるようにする
皮脂の過剰分泌の原因にホルモンバランスの乱れがあります。ホルモンバランスの乱れは、睡眠不足から来ることがあります。
その他、睡眠不足が続くと、頭皮に次のような悪影響を与えます
- 血行不良
- 免疫力の低下
- 肌のターンオーバーの乱れ
よく、肌状態を良くするために22~2時の「美のゴールデンタイム」に睡眠を取るといいと言われています。
これは、成長ホルモンの分泌が活発になり、肌などの新陳代謝も良くなるため皮膚の生まれ変わりに大事な時間と言われているからです。
頭皮も肌の一部なので、この美のゴールデンタイムは大事です。この時間帯にしっかりと睡眠を取ることで、頭皮環境の改善、ホルモンバランスの乱れを整えることができます。
ただこの時間帯に眠るだけではなく、質の良い睡眠を取るためには、眠る1時間前からパソコンやスマホ、テレビなどは避けるようにしましょう。
その4.ストレスを溜めないようにする
睡眠不足と同様で、ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れてきます。そのため、皮脂の過剰分泌の原因の1つとなります。
ストレスの発散方法はこれ!というものはありません。その人が好きなことなどをすることで、ストレスは発散することができます。
近年多いのが、ストレスの発散方法が分からないという人です。ストレスを感じるけれど、特段趣味などもないのでストレス発散方法がないという人は、次のようなことをしてみましょう。
- 太陽の光を浴びる
- 適度な運動(散歩やサイクリング)
- お風呂にゆっくりと浸かる
- リラックス効果のあるハーブティーなどを飲む
運動が苦手という人も、軽く散歩するだけなので負担になりません。また動物が好きな人は、動物と触れ合うのもストレス解消になるのでおススメです。
その5.毎日の食事に気を付ける
皮脂の過剰分泌の原因に食生活もあります。皮脂というと脂っこいものが原因と思われていますが、それだけではありません。
甘いものやお菓子の食べ過ぎも皮脂の過剰分泌の原因になります。また、カフェインも皮脂の過剰分泌の原因となります。
現在、皮脂の分泌が多いという人は、なるべくカフェインの過剰摂取は避けるようにしましょう。
脂漏性皮膚炎は頭皮環境が悪化していることがあるので、肌の代謝を改善してくれる栄養素を積極的に摂取すると、炎症や頭皮環境の悪化の改善が期待できます。
- トマト
- キャベツ
- 卵
- 牛乳
- レバー
- ほうれん草
上記のような食材には、ビタミンB群やビタミンCが含まれています。
ビタミンB群やビタミンCが含まれている食材を積極的に摂取して、頭皮環境の改善に繋げましょう。
その6.頭皮に直接紫外線が当たらないようにする
脂漏性皮膚炎になると、頭皮が炎症を起こしてしまいます。また、免疫力が低下しているため外的刺激でさらに炎症が悪化することもあります。
紫外線はとても強い刺激を与えます。頭皮に直接紫外線が当たらないように予防してあげることが大事です。
- 帽子
- 日傘
上記のようなものを使って、なるべく頭皮に紫外線が当たらないようにしましょう。
帽子を使う場合、通気が悪いとさらに症状が悪化することがあります。帽子を被る際は通気性の良いものを選び、蒸れないように注意しましょう。
どうしても症状が改善しない場合は必ず皮膚科を受診する
いろいろと生活を見直したり、シャンプーを変えたりしても頭皮の状態が改善しない場合は、自己処置をせずに必ず皮膚科を受診するようにしましょう。
症状が悪化してから病院に行くと治療期間が長くなったり、薬も強めのものを処方されることがあります。
病院で診察を受けた際、基本的には炎症や湿疹を抑える薬が処方されます。
薬で炎症や湿疹の症状が改善されても、頭皮の皮脂分泌が改善されなければ、また脂漏性皮膚炎の症状が出てきます。
皮膚科で診察を受けたから皮脂分泌も抑えられるというものではないので、治療と共に皮脂が過剰分泌しないようにケアは必要です。
脂漏性皮膚炎にならないために頭皮のセルフチェックをしよう
脂漏性皮膚炎は男性がかかる病気と言われていました。しかし、現在は女性でも多くが発症して悩んでいます。
脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰分泌が原因です。常に頭皮をチェックしていれば、「皮脂が増えたかな」というのは分かります。
シャンプーをした後や朝起きた時など、頭皮を触ってみてベタつきがないか、ニオイがないか、湿疹はできていないかなどチェックするようにしましょう。
そうすることで、すぐに対処することができます。
また、頭皮湿疹はアレルギーだけが原因ではありません。すぐに治るだろうと放置せず、湿疹の範囲や量が多い場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。
脂漏性皮膚炎で薄毛や脱毛になることもあります。髪は女性の命です。そうなる前に対処するようにしましょう。