髪の雑学
髪の毛にも寿命があった!髪の毛の平均寿命はどのくらいある?
髪はどこまで伸びるのか、どのくらいまでならきれいに伸ばせるのかが気になる方は、まず髪の毛の寿命について基礎知識からインプットしてみませんか?
髪の毛にも寿命ってあるの?
髪の毛には痛覚がなく、気がつくと毛先が開いていたり勝手に抜け落ちたりしています。そのためあまり意識しないことも多々あるのですが、髪の毛も有機細胞のひとつですからもちろん「寿命」があるのです。
髪の毛の平均寿命は3〜6年平均
一般的に、ヒトの毛髪の寿命は1毛根あたり3〜6年と考えられています。
通常は幼少期から思春期が約4〜5年、青年期から中年期が約5〜6年、その後徐々に短くなっていきます。
この間、先に生まれた毛髪細胞が寿命を迎えたとしても、完全に脱毛するまでに新しい毛髪が生み出されています。つまり長い髪の毛を保つためには「毛髪細胞の寿命を長くする」「育毛力を上げる」という2つの要素が必要というわけです。
一般的に女性の方が髪の毛の寿命が長い
また、毛髪の細胞寿命には男女差も大きいとされています。
- 男性の毛髪細胞の寿命平均…2〜4年
- 女性の毛髪細胞の寿命平均…2〜6年
ただし、この女性ホルモン分泌が体質的に少ない人、何らかの疾病などでホルモンバランスが乱れやすい人は女性であっても毛髪の寿命が短いという場合もありますし、男性の中にも毛髪サイクルが長い人もいます。
髪の毛の平均寿命は個人差が大きい
年齢、性別、そして環境や精神状態によっても大きく左右されるため、髪の毛の平均寿命は非常に個人差が大きく現れる部位です。
人種的な差もあります。一般的に日本人は1年間に伸びる長さが70cm前後であるのに対し、欧米系の方は60cm前後とおよそ10cmもの差があります。
髪の毛の生まれ変わるサイクル、そして寿命のサイクルが遺伝子のレベルで違うということが明らかになった証明でもありますね。
髪の毛の寿命を延ばすためには何をすべき?
髪の毛に寿命があるのは万人共通ですが、その寿命を出来る限り長くしたいという場合の方法はあるのでしょうか?
髪をキレイに伸ばしたい人、薄毛予防や脱毛改善をしたい人は、まず髪の細胞の生まれ変わりシステムを理解しましょう。
毛周期は4つのサイクルで作られる
髪の生まれ変わりを「毛周期(もうしゅうき)」と言います。毛周期のスピードは先述した通り個人差がありますが、基本的にこのサイクルはどの人も同じです。
- STEP1:発毛期
- 毛穴の奥で毛母細胞が分裂をくり返し、新しい髪の毛が作り出される時です。毛乳頭から新しい健康的な髪が生み出され、休止期の髪の毛が自然脱毛するとこの新しい髪の毛が頭皮から顔を出します。
- STEP2:活動期
- 頭皮から外部に発毛した髪が伸び続ける時期です。一般的に「髪の毛の寿命」はこの活動期を指しており、髪はおおよそ2〜6年の間伸び続けます。人の身長に例えるなら、いわゆる成長期と言い換えることも出来ます。
- STEP3:退化期
- 毛乳頭の細胞分裂のスピードが衰え始め、毛根が小さく縮小し始める時期です。自然脱毛への準備期間と思って頂ければ良いでしょう。退化期に差し掛かると、平均的に2週間くらいで次のステップ、休止期に入ります。
- STEP4:休止期
- 毛乳頭の細胞分裂が完了し、それ以上髪が伸びない状態に達した時期です。休止期に入ったとしても、すぐにその髪が抜けてしまうわけではありません。一般的に2〜3ヶ月は毛穴に留まり、発毛期の髪の毛が十分に育つのを待って自然に抜け落ちます。
髪はこの4つのサイクルを生涯くり返します。
髪の誕生から成長期にかけて、つまり発毛期から活動期にかけてきちんと頭皮ケアや毛髪ケアをすることで髪の寿命は伸びますし、退化期や休止期の髪に無理なダメージを与えないように気をつけることで美しい健やかな髪が生まれやすい環境が整います。
毛周期が早い人ほど薄毛になりやすい
髪の寿命に個人差がある、というのは、この毛周期のスピードに非常に影響を受けるからです。
また、生涯の中で毛髪細胞がどのくらいの髪の毛の量を作れるか、という情報も同じように個人差があり、ある程度は決定されています。そのため家族や血脈の中で薄毛であったり脱毛しやすい人がいる場合、遺伝として薄毛になりやすいこともあります。
とはいえ、先に述べた通り毛周期のサイクルを知り、発毛期や活動期の髪の毛を健やかに保つことで体質的な側面から髪の毛の寿命を引き伸ばすことは可能です。「家系だから無理」と諦めるのではなく、自分の毛周期に適したケアを地道にとりおこなってみてください。
毛周期のサイクルを整えることが大切
毛周期のサイクルを整えるためには、ということをお話する前に、まずは「毛周期のサイクルが乱れた状態とは」を考えてみて下さい。
毛周期が乱れている状態、というのはこの発毛期から退化期の感覚に狂いが生じている場合です。通常長いはずの成長期が短くなり、短いはずの休止期が長くなります。
鋭い方はピンと来たかもしれません。そう、新陳代謝の乱れが毛周期サイクルの乱れです。
新陳代謝力が衰えていると、生まれ変わる準備期間おおよそ2週間を過ぎても、髪の毛が休止期から退化期に移行しません。いつまでも毛穴に留まり紫外線などの有害物質を取り込み続ける髪が、毛穴の中の発毛期中の髪の毛の成長を阻害します。
成長期が阻害されているために、その間伸び続けられるはずの活動期の髪の毛たちの細胞分裂力も弱くなり、エネルギーを使いすぎた髪は早く活動期を終了させてしまいます。
しかし、活動期が終了したにも関わらず代謝力が悪いために、いつまでも退化期の髪が残り…あとはおわかりになると思いますが、この悪循環を断ち切ることが先決です。
AGAやFAGAの場合は医師との二人三脚で
先に述べたように「自然脱毛」は生活習慣やストレス改善など、新陳代謝力をスムーズにすることで一定の効果が出ますが、実はそれだけでは改善しない場合もあります。
本来髪の発育に影響する女性ホルモン、エストロゲンの分泌が急激に減少した場合にも起こるもので、更年期、閉経後の女性にとって深刻な悩みにもなっています。
自分だけで対処が難しい症状が起こっているのであれば、一人でなんとかしようとするよりも専門医との二人三脚の方が、結果が素早く感じられますよ。
毛周期サイクルを乱さないためのヘアケア方法とは
髪の毛の寿命は毛周期を乱さないためのヘアケアによってある程度は引き伸ばすことが出来ますし、結果的に薄毛、脱毛の予防や髪のダメージケアにも繋がります。
日常的に出来ることも多いので、ぜひ毎日スキンケアと同じように習慣にしてみて下さい。早ければ退化期の髪の代謝が始まる2〜3週間で、髪がいきいきとしてくることを実感出来ますよ。
毛先はこまめに整える
髪が伸びにくい状態の退化期は、頭髪全体の中の1割程度と考えられています。頭髪全体に10万本の髪の毛があるとしたら、そのうち1万本は退化期、すなわち成長が止まり始めた伸びにくい髪の毛です。
頭皮のダメージは発毛期、活動期の髪の毛の発育に影響を及ぼしますので、まずはこの頭皮ダメージから予防しましょう。
傷んだ髪はこまめに切りそろえ、パサつきはヘアオイルなどで潤いを補給して下さい。アルガンオイルやホホバオイルには血行促進や新陳代謝活性化の作用も期待出来ますのでおすすめです。
頭皮の血行を促進させ新陳代謝力を整える
髪のケアだけでなく、土壌となる頭皮のケアも徹底しましょう。特に女性に多いのが血行不良による新陳代謝力の低下です。
- 運動不足
- 不規則な食生活や睡眠リズム
- 過度な精神的ストレス
- 過剰なダイエット
これらの状態は自律神経のバランスを崩し、体全体の血行不良やホルモン分泌力の低下を促してしまいます。それが結果的に新陳代謝力を下げ、細胞の生まれ変わりのサイクルを滞らせます。
また、食事制限をするようなダイエットを行っている人は、最低限の栄養補給量を下回らないように注意して下さい。
特に鉄分、アミノ酸、ビタミン、タンパク質が不足すると髪の栄養源が絶たれてしまいます。美容のためのダイエットが脱毛の原因となり、本末転倒に…ということになる場合も多いということを忘れないようにしましょう。
トリビア?!昔の日本人女性はつけ毛も多かった
日本人女性の長い黒髪…と言えば、歴史物語に出てくる、床を引きずるほど長い平安時代の女性たちですよね。
筆者は子供の頃、人間の髪はあそこまで伸びるんだと信じて疑いませんでした。
気になって調べてみたところ、実は平安貴族の女性たちの間では「つけ毛」、現代で言うエクステがあったようです。
もちろんたしなみとして、おおっぴらに「つけ毛である」と公言している女性はいなかったようですが、髪が長いことが上流階級、そして美人であることの証明であるために様々な努力をしていた様子がうかがえますね。