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髪の悩み

アミノ酸が髪に良い理由とは?美を作る必須栄養素の正体

色々なテレビや美容雑誌でもことある毎に取り上げられていますし、最近では「アミノ酸配合シャンプー」なども市販に多く出回っています。

しかし髪に良い、ということをなんとなくご存知だとしても、具体的に「なぜ髪に良いと言われるのか」は知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

  • アミノ酸って具体的に何なのかよくわからない
  • アミノ酸系シャンプーが気になるけど、これは何?

浸透しすぎて今更ちょっと人には聞きづらい「アミノ酸と髪の関係」について、改めてチェックしてみましょう!


アミノ酸って何?

アミノ酸と髪の関係についてお話する前に、そもそもアミノ酸とは一体何なのかということを確認しておきましょう。

人体の20%を構成する成分の原材料

アミノ酸とは簡単に言えば「タンパク質の材料」です。

人の体の60%は水分、20%は脂質や糖質、残りの20%はタンパク質で出来ています。つまりアミノ酸は20%ものタンパク質を維持するために欠かせない成分のひとつでもあります。

アミノ酸は生命体の内部で自然結合できる「非必須アミノ酸」と、自然結合できず外部から摂取する必要がある「必須アミノ酸」の2種類に分類されます。

このどちらも欠乏すると体に必要なタンパク質を作れず、タンパク質が材料となる有機細胞が不足し健やかな体維持ができなくなります。

タンパク質=アミノ酸の集合体

タンパク質は人体の20%を占める、と先述しましたが、この20%には多様な組織(有機細胞)が含まれます。

  • 皮膚
  • 血管や血液
  • 男性ホルモンや女性ホルモン
  • 内臓を作る細胞

人体を器と置き換えてイメージすると、その器の中には入れ子の様に何十にも小さな箱があり、それぞれの箱の中で生きる為の核が守られています。タンパク質はこの核を守る器を作るための大切な材料。

そして、大切な材料を作るための原材料が20種類以上ある「アミノ酸」なのです。

美髪を作るケラチンはタンパク質の一種

「美髪にはケラチン」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。ケラチンはタンパク質の一種で、主に髪や頭皮を作っています。

このケラチンは18種類のアミノ酸から作られています。シスチンやチロシンといった「非必須アミノ酸」の他、イソロイシンやフェニルアラニン、トリプトファンといった「非必須アミノ酸」など18種類のアミノ酸が結合してやっと「ケラチン」になるのです。

つまり、ケラチンが髪に良い、というよりも「アミノ酸が髪に良い」という方が、より真理に近いということがおわかり頂けたかと思います。

アミノ酸系シャンプーとは?

アミノ酸が髪に良い、という方程式が浸透するきっかけになったのが、この「アミノ酸系シャンプー」の登場によるところが大きいのではないでしょうか。

今や市販のシャンプーの中でも大きなシェアを伸ばしているこのアミノ酸系シャンプーは、なぜ髪に良いと考えられているのでしょうか?

界面活性剤としてアミノ酸を使用

シャンプーには、泡立ちを良くして洗浄力を高める「界面活性剤」が使用されています。

もはや字面で「髪に悪そう…」というイメージがついてしまっている界面活性剤ですが、実は種類が複数あるのです。

<天然系海面活性剤>

  • 天然物系
  • 脂肪酸エステル系
  • 石けん系
  • アミノ酸系

<石油系界面活性剤>

  • アルコール系
  • 石油系

現代において「髪や地肌に良くない」というイメージがあるのは石油系界面活性剤です。

万事が悪いというものではなく、洗浄力が高すぎるというのが最大のデメリットと言えるのですが、少し前まではシャンプー類も洗剤類もすべて石油系に頼るしかありませんでした。

その後科学が発展し、洗浄力、殺菌力などを極力残したままで肌も労ることが出来る低刺激性の界面活性剤が発見・開発されました。それがアミノ酸系を含む「天然系界面活性剤」です。

アミノ酸系シャンプーとは、界面活性剤をアミノ酸成分にして作られているシャンプーのことをさすのです。

低刺激性と保湿力で地肌を労る

アミノ酸系シャンプーの最大のメリットとも言えるのが「低刺激性」と「保湿力」を同時に兼ね備えている点です。

アミノ酸が元々の頭皮や髪を作っているタンパク質の源であるということは先述した通りです。

タンパク質の成分としてアミノ酸は「最小成分」とされるほど小さく、キメの細かいものなので、髪や地肌に吸着する力が強く、傷んで欠けてしまった細胞を補い保湿する効果も高いとされています。

乾燥や紫外線によって傷んだ髪や地肌に、水分を補給しながらしっかりと潤い補給をすることでヘアサイクルを整える効果にも期待が出来ます。

過剰な洗浄をしない

アミノ酸系シャンプーは石油系界面活性剤のように、肌に本来必要な脂質や常在菌まで洗い流してしまうほどの強い洗浄力はありません。

油分や水分を程よく残す程度の洗浄力であるため、過剰に洗いすぎることによる乾燥や炎症を抑制する効果があります。

近年では清潔感を意識するあまり、「シャンプーは毎日2度洗い」といった過剰洗いが問題になっています。洗いすぎると肌を守るための菌まで死滅してしまい、結局それがニオイやベタつき、パサつきなどの髪ダメージの原因になるというものです。

アミノ酸系シャンプーの場合洗浄力がそれほど高くないため、こうした過剰洗髪が習慣化してしまっている人にもおすすめです。

もちろん洗いすぎないことを意識する必要はありますが、頻度高く使用しても髪を傷めにくいのがアミノ酸系シャンプーです。

アミノ酸系シャンプーを正しく使う

せっかく髪に良いシャンプーを使うのですから、「アミノ酸系シャンプー」の底力を十分に発揮出来るよう正しく使いたいものですよね。最後にアミノ酸系シャンプーのおすすめの使用法をご紹介致します。

洗浄力が弱いためブラッシングと予洗いを念入りに

アミノ酸系シャンプーの洗浄力はそれほど高くありません。

ただ、本来人間の体表面についている汚れはぬるま湯だけでも十分に洗い流せると言われていますので、アミノ酸系シャンプーを使う時はしっかりと予洗いをするだけでかなり汚れは落ちます。

  1. 毛先、髪の中間、根本、と三段階にわけて丁寧にブラッシング
  2. 37〜38度前後のお湯(シャワーでもOK)で頭皮を入念にゆすぐ
  3. お湯をかけ流しながら、指の腹で頭皮全体をマッサージする

この3ステップだけで、日中についた汚れの6〜7割は落とせます。

スタイリング剤をつけている時などは、予洗いの後にコームブラシなどで毛先のもつれをとき、もう一度ぬるま湯で髪をゆすり洗いして下さい。

泡立てネットを活用

シャンプーを直接手のひらに出し、そのままペタリと地肌につけ、地肌でシャンプーを泡立てていないでしょうか。実はこの方法は地肌の常在菌を過剰に滅菌してしまうNG方法です。

アミノ酸系シャンプーがいかに洗浄力が弱くても、肌を守る常在菌にとっては強力な薬剤です。過剰洗いになるとアミノ酸系シャンプーの魅力も半減ですよね。

シャンプーはまず、泡立ててから髪につけるのが鉄則です。

  1. 洗顔用ネットに2プッシュ程度シャンプーを入れる
  2. ぬるま湯で泡立てたら、頭皮全体に泡を乗せていく
  3. 泡が足りない場合は1〜2を繰り返す
  4. 頭部全体に泡を乗せたら、潰さないように地肌を指の腹で洗う

慣れるまではやや手間に感じられるかもしれませんが、髪のキシミ感や頭皮の乾燥スピードが格段に変わるオススメの方法です。

二度洗いが必要な時は

ヘアスプレーやマットワックスなど、髪にぺったりとくっつくタイプのスタイリング剤を使用した時は二度洗いが必要になる時があります。しかし、二度洗いは過剰洗髪の元。できれば避けたい方法です。

その場合、「油で油を落とす」方法が有効です。

ワックスやヘアスプレーはいわば「油」「糊」と同列の成分ですので、別種の油が混ぜ合わさるとするんと落ちる性質があります。

無添加のアルガンオイルやホホバオイルを少量、洗面器一杯のお湯に溶かし、それで髪を予洗いします。いちどぬるま湯ですすいだ後、通常通りアミノ酸系シャンプーを泡立てて髪を洗って下さい。

もう少ししっかりスタイリング剤を落としたい場合は、オイル水の代わりにリンスやコンディショナーを使う方法も有効です。

外側も内側もケアすることが最重要

アミノ酸は美髪・美肌にとっては切っても切り離せない非常に重要な成分です。

それ故、近年ではアミノ酸系シャンプーを始め化粧品、スキンケア用品にも数多くのアミノ酸系アイテムが登場しています。

しかし本来髪や肌を守るには「内側からの働きかけ」も忘れてはなりません。元々アミノ酸は体内で作られたり、体内で合成されたりするものですから、外部からの補給だけでは限界があるのです。

外部からのケアに加え、アミノ酸を意識した食生活を少しずつ取り入れてみて下さい。野菜を多めに取る、海藻類を積極的に取る、サプリメントを取る…現代ではその方法も色々にあります。

体の内側、外側両方からアミノ酸のパワーを活かせるように心がけてみると、髪だけでなく肌や健康にも必ず役に立つはずです。

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