髪の雑学
美容師の歴史について学ぼう!日本でのヘアカット技術の起源はいつ?
カットやカラー、パーマ、時にはメイクなどのオシャレに精通したプロである美容師。華やかなイメージから職業として目指す人も大変多いですよね。
現代では当たり前にある美容師という職業ですが、一体いつから存在していたのでしょうか。また、ヘアカットの技術はいつからあったのでしょうか。
今回はそんな気になる美容師の歴史について詳しくご紹介します。
起源はいつ?時代とともに変化を遂げる美容師の歴史
ヘアカットの仕事は紀元前3000~4000年頃のエジプトで誕生したと言われています。今から約5000年も前のことですから驚きですよね。
では一体、日本ではいつから存在しているのでしょうか。日本での美容師の歴史について掘り下げていきたいと思います。
日本での始まりは鎌倉時代から存在する髪結い
日本でも髪を手入れする仕事は鎌倉時代からあったことがわかっています。しかし、当時の仕事は現代のような美容師の仕事とは違っていました。
その当時は「髪結い」と呼ばれていて、髪を結うことが主な仕事内容でした。そのため、髪を結うサービスを行う場所も「髪結い所」と呼ばれていました。
江戸時代後半にもなると髪結いの技術も発展し、様々なヘアスタイルが登場するようになります。
技巧を凝らした日本髪は素人では出来ない技術であったため、プロの髪結いは人気の職業であったと言われています。
明治時代の断髪令により、日本でのヘアスタイルも徐々に変化
そんな髪結いの仕事が変わってくるのが明治に入ってからになります。
1871(明治4)年、「ザンギリ頭を叩いて見れば文明開化の音がする」との句でも知られるように、髪型を自由にしても良いという断髪令が発令されます。
しかし、この断髪令はあくまでも男性に対してのみ。
男性を模倣し、断髪する女性が現れましたが、世間では女性が髪を切るなんてもってのほか!という声が非常に多く、女性に対し、断髪禁止令が出されてしまいます。
当時は女性が髪を切るということは未亡人になった場合や仏門に入る場合という認識だったのです。
しかし、大正時代になるとモダン・ガールや女流文学者らによってこの古い風習を断ち切るように断髪が行われるようになります。
当初は従来と同じく、「突飛」、「不自然」などと批判を浴びることとなりましたが、昭和初期には女学生や一般女性の間に広まるようになります。
これにより、それまで女性のヘアスタイルといえば髪結いだった文化に大きな変化が訪れることになるのです。
その後、外国の文化が入ってくるようになり、ヘアスタイルも様々なものが登場するようになりました。
大正時代には日本初の美容学校が誕生
現在、美容師や理容師になるには免許が必要ですよね。
そのためには美容学校に行かなければなりませんが、日本ではその美容学校が大正時代になって初めて誕生します。
それが、1913年に東京に誕生した東京女子美髪学校です。ここでは従来の髪結いの技術を継承しながら髪のプロを輩出していきました。
また、髪に関することだけでなく、現代のエステのような施術も学ぶことが出来たそうです。
その後、この東京女子美髪学校を皮切りにどんどん美容学校が増えていきます。
美容師法による美容師が誕生する
1947年には理容師全般の職務や資格を規定する理容師法が誕生します。次いで理容師法から独立する形で10年後の1957年に美容師法が誕生します。
ヴィダル・サスーンにより現在のカット法が伝わる
1980年代に入るとイギリス生まれのイスラエル人ヴィダル・サスーンにより、サスーンカットと呼ばれる現在のヘアカットの技術が定着します。
このサスーンカットは髪の毛をブロック分けしてピンで留め、ハサミを持っていない方の手の人差し指と中指で挟み、指の隙間から約1センチの厚さから髪をカットするという技術です。これは現代のカット法と同じですよね。
ヘアカラーが身近なものとなる
1990年代になると今度はヘアカラーの人気が高まるようになります。これにより黒髪こそ美しいという認識から脱却することとなります。
この辺りになるともう現在と全く変わりませんね。
そして、カラーリングブームが起き、1990年代には第一次カラーリングブーム、2000年代に入ると第二次カラーリングブームが起きます。
カリスマ美容師のブームが起きる
1990年代後半になるとカリスマ美容師のブームが起こるようになります。
芸能人に憧れる人たちがその芸能人の担当スタイリストのいる美容室を訪れるようになるのです。
また、ドラマでも美容師役をやる芸能人も登場し、美容師に憧れる人も増えてきました。
世界や日本の流行とともに歩んできた美容師
美容師という職業の歴史について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
古来よりヘアカットの技術は存在してはいましたが、それが「美容師」という名称で親しまれるようになったのは割と最近のことだったんですね。
その時代の流行に合わせて変化を遂げてきた美容師の歴史。そこには女性の自立も大いに関係しており、まさにその時代を映す鏡と言えるでしょう。
時代とともに形は変わっても、髪が女性にとって大事なのは今でも変わりませんよね。
だからこそ、私達も日々のケア等をしっかり行なって、いつまでも髪を大切にしていきたいですね。