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白髪

白髪を漢方で改善する!白髪の原因別、おすすめの漢方

漢方とは、自然界にある植物や鉱物などの生薬を用いて、それらを複数組み合わせて作られている薬のこと。

西洋薬との違いは、西洋薬がピンポイントで患部に作用するのに対して、漢方や体全体の免疫力を高めて症状を緩和していく点です。

体に良さそうということで漢方が注目されていますが、白髪の改善にも効果があるのをご存知でしょうか?

そこで、白髪の原因別に効果が期待できる漢方について、紹介していきたいと思います。


漢方とは?その歴史と白髪の捉え方について

漢方と聞くと、中国伝来の薬だと思っている人が多いでしょう。確かに漢方や中国医学の考えを基にしているのですが、現在日本で用いられている漢方は、日本独自で発展したものです。

漢方の歴史

日本では、「漢方」と呼ばれていますが、漢方の本場、中国では「中医薬」と表現しています。

中国では伝承医学の研究が、約2000年前から行われていたと文献に残されています。

西洋医学の歴史が300から400年ということを考えると、どれだけ漢方薬の歴史が古いのかが、わかるでしょう。そして、中国と同じく、日本でも伝承医学が存在しました。

その伝承医学と中国から伝わった医学が合わさったものが、私たちが普段「漢方」と呼んでいるものになります。

日本人と、中国人は顔の造りや肌の色など、似ている部分が多く、見分けがつかないこともあります。

しかし、体格や体質などは異なる点が多く、また住んでいる地域によっても大きな差があるのです。

そのため、日本で用いられている漢方は、日本人の体質に合うように改良されているわけです。

漢方では、髪は生きているものと考える!

皮膚の一部を傷つけたり、ぶつけたりしたときは、痛みを感じますよね。しかし、美容院で髪の毛を切ってもらっても、痛みをほとんど感じません。

そのため、私たちは髪の毛を「死んだもの」と一般的に認識されています。ところが、漢方の世界では髪の毛も「生きているもの」として捉えているのです。

本来、一度白髪になってしまった髪の毛は黒くならないと思われていますが、漢方の世界では元に戻せるという考えが浸透しているのです。

漢方での白髪発生原因は複数あり!それぞれの原因とおすすめ漢方

白髪が発生する原因といえば、老化ですよね。確かに、年齢を重ねると白髪が増えるのは事実です。

しかし、同じ年齢の人同士を比べても、白髪の割合が異なるのは、老化以外の原因があるからです。

そこで、漢方で考える白髪の発生原因とおすすめの漢方薬について紹介していきますね。

血の不足、「血虚(けっきょ)」

血液によって、さまざまな栄養や酸素が運ばれていますが、血が不足するとその働きが鈍くなってしまいます。そのため、髪を黒くするために必要な栄養が不足し、白髪ができてしまうのです。

血虚を招く原因としては、

  • 栄養不足
  • 内臓が弱っている
  • ケガや生理

などが挙げられます。

特に、女性は毎月生理がありますので、男性よりもはるかに白髪になるリスクが高いということになります。また、血虚になると、白髪以外にもさまざまな不調が現れるようになるのです。

  • めまいや立ちくらみ
  • 爪が割れやすい
  • 手足の冷え
  • 月経が短い
  • 月経量が少ない
  • 動悸
  • 不眠

などの症状が見られますので、自分に当てはまる症状がないかをチェックしてみましょう。

血虚を改善する働きがあると言われている主な漢方薬について、みていきます。

四物湯(しもつとう)
当帰芍薬、川きゅう、地黄をブレンド。婦人科系の疾患に古くから用いられています。
婦宝当帰膠(ふほうときこう)
婦人科系の疾患によく使用されている当帰をメインにしています。冷え性や生理痛、体力の衰えにも効果を発揮してくれます。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
当帰をメインに、天草、生姜、などを配合しています。虚弱体質、疲れやすい人、精神的に不安定な人におすすめです。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰、芍薬、川きゅうをブレンド。筋肉が少ない、疲れやすい、足腰の冷えがひどい人におすすめです。

これらが、血虚の改善に効果的な主な漢方薬になります。

疲れが取れにくい、「気虚(ききょ)」

重労働や激しい運動をした後などは、誰でも疲れを感じます。しかし、食事や睡眠をとってもその疲れが回復しないときは、「気」が不足している、つまり「気虚」だと考えられます。

漢方では「気」は生きるための大切なエネルギーとして捉えられています。そのエネルギーを得る源は食事ですので、胃腸が弱っている人や、食事制限を伴うダイエットをしている人は、気虚になりやすいです。

  • 疲れやすい
  • 食欲がない
  • 胃もたれ
  • 下痢しやすい
  • 不正出血がある
  • 体温が低い
  • 風邪を引きやすい
  • アレルギーがある

といった症状がある人は、気虚を疑いましょう。気虚を改善する効果のある漢方は以下の3種類がよく知られています。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
高麗人参、黄耆をメインとしています。消化器系が弱い人におすすめです。
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
黄耆、芍薬がメインです。胃腸の弱い人、疲労や倦怠が抜けない、食欲不振の人におすすめです。
六君子湯(りっくんしとう)
蒼朮が胃腸の働き改善、茯苓が水分代謝を促す作用があります。

気虚に効果のある漢方の中でも、体質など、自分に合ったものを選ぶと、より高い改善効果が期待できるでしょう。

生命力の衰え、「腎虚(じんきょ)」

腎虚の「腎」は腎臓のことではなく、「生命力」を意味します。年齢を重ねてくると生命力も衰えてくるのですが、若い人でも腎虚の人が増えているのです。

腎虚は主にホルモンバランスが乱れることで起こりやすくなり、さまざまな不快症状が出てきます。
  • 聴力低下
  • 腰痛
  • 不妊
  • 精力減退
  • 冷え
  • 頻尿
  • 不眠
  • 便秘
  • 高血圧

など、あらゆる不調が腎虚によって引き起こされてしまうのです。腎虚を改善する効果が期待できる、漢方がいくつかあります。

八味地黄丸(はちみじおうがん)
疲労感、倦怠感が抜けない、腰痛、前立腺肥大の人におすすめです。
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
頻尿、むくみ、かゆみがある人におすすめです。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
疲れやすい、手足が冷える、口が乾く症状のある人に向いています。
耳鳴丸(じめいがん)
耳鳴り、腰痛、脱力感の強い人に適しています。

他にも、腎虚を改善する効果がある漢方がありますが、専門家に診てもらい、自分に合った漢方を紹介してもらうのがおすすめです。

知らないと効果が半減!漢方薬を服用するときの注意点

最近は、漢方薬もネット通販やドラッグストアにて手軽に購入できるようになりました。そのため、サプリメントを飲む感覚で、服用している人も少なくありません

また、漢方薬でも、自分に該当する症状に効果がある商品がいくつもあり、どれを選ぶかで迷ってしまいます。そこで、漢方薬の選び方のコツと、服用の注意点について紹介していきます。

自己判断しないこと

漢方薬にはたくさんの種類があり、同じ症状に効果を働いてくれる商品もたくさんあります。

種類がたくさんありすぎるため、どれが最適な漢方薬なのか判断しづらいのです。

漢方薬選びで迷ったときは、お店の人に相談してみることです。漢方薬の知識があれば、症状や体質などを参考に、最適な漢方薬を紹介してくれるでしょう。

副作用の危険性を知っておこう

漢方=体に優しいと言うイメージがありますが、必ずしもそうだとは限りません。たとえば、婦人科系疾患によく用いられている「当帰」には、下痢を伴うことがあるのです。

このように、作用だけでなく、副作用についても理解した上で、適切な漢方薬を選ばないと、症状が改善するどころか、悪化する危険性も出てきてしまうのです。

漢方薬を飲んで効果を得るためにも、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことが重要になります。

適切な飲み方を守ること

漢方薬の種類によって、それぞれ適切な飲み方があります。飲むタイミングや時間帯など、細かい説明が商品のパッケージなどに記されていると思いますので、それをよく読んで従うことです。

飲み方を適切に守らないと、効果の半減につながってしまいます。また、漢方薬の種類によってそれぞれ飲み方も異なることがありますので、必ず説明はよく読むようにしてください。

食習慣や生活習慣の改善も大切!

白髪が発生する原因はいくつかありますが、それらは生活習慣や食習慣が大きな原因となっていることがあります。そこで、食習慣や生活習慣の改善も併せて行ってみましょう。

漢方は体全体の免疫力をアップする効果が期待できますが、食習慣、生活習慣を見直すことにより、その改善効果を高めることができるようになります。

自分に合った漢方を選んで、白髪の改善に役立てよう

漢方薬で体の不調を改善できれば、白髪の改善も期待できるようになります。おかげで、白髪染めに頼る頻度も少なくできるでしょう。

そのためにも、自分に合った漢方を選ぶことが大切になってきます。ドラッグストアでも漢方の知識があるスタッフがいることもありますが、漢方を専門的に扱っている薬局や、漢方外来を受診したほうが、より詳しい診断をしてもらえると思います。

自分に合った漢方を選んで、白髪と不調の改善に役立ててみましょう。

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