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ヘアオイル

ヘアオイルの効果って?使い方と使い分けをマスターして美髪を作る

美容室などでカットのあとにちょっとしたセットをしてもらう時にもオイルを丁寧にすり込んでくれるところも増え、セルフヘアケアにもオイルを使うと良い、などとアドバイスをされるという人も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

ドラッグストアなどでも気軽に手に入る様になってきたヘアオイル、一体どうしてこれほどまでに「良い」とブームになっているのでしょうか?

その効果と理想的な使い方についてチェックしてみましょう。


ヘアオイルはどうして「良い」って言われるの?

ヘアオイルがいいよ、とオススメされる機会が増えたのに、「どうして良いの?」という部分はやや曖昧な人もいらっしゃいますよね。

まず先にヘアオイルの魅力について検証してみましょう。

遥か昔から女性に愛用されたヘアオイル

ヘアオイルの歴史を遡ると、紀元前のエジプト王朝やローマ王朝で多くの人が髪にオイルをつけていたというところまでたどり着くことが出来ます。

日本においても、平安初期にはすでに「髪油」という高級ヘアオイルが愛用されていますし、更に遡れば縄文時代にはすでに油脂を染み込ませた椿櫛なども出土品から使用されていた形跡があります。

乾燥対策や美容対策など、目的こそ違えど、ヘアオイルは遠い昔から人々の間で「常識」として愛用されてきました。

物資が多い現代においては一時そのブームが影を潜めたこともありましたが、遥か昔から使われてきたアイテムの良さは廃れることなく今また注目を集めています。

クリームやジェルとの違いは保湿力

20年ほど前までは、クリームやジェルタイプのトリートメントや整髪料が主流でした。

が、最近美容師さんまでこぞってオイルをオススメする理由として「クリーム類と比較すると保湿力が2〜3倍ある」というメリットがあります。

クリームやジェルの整髪料やトリートメント剤の場合、その成分の大半は「水」になります。そこに油性原料を加え、更に界面活性剤で乳化させたものがクリーム。シリコンや合成ポリマーなどを混ぜたものがジェルになります。

成分の大半が水、ということは、時間経過とともにその水分は気化(蒸発)してしまいます。この際、髪が傷んでいれば内部の水分まで一緒に蒸発させてしまうため、ダメージ補修パワーがやや落ちてしまうといえます。

反面、オイルは「100%油性」ですからクリームやジェルと比較すると気化までにかかる時間が長く、髪内部の水分蒸発も抑制するためじっくりとダメージを補修しながら潤い補給ができるというわけです。

ノンシリコンシャンプーが流行している現代だからこそ

今や大半の女性が使用しているシャンプーが「ノンシリコンシャンプー」ではないでしょうか。

髪表面をコーティングする合成成分が指通りを良くし、摩擦軽減やコーティング作用などによってダメージを減らすとされるシリコンシャンプー。少し前まではこちらが主流でしたが、毛穴づまりやシリコン残留による髪ダメージの懸念から、数年前から「ノンシリコンシャンプー」が爆発的にヒットしました。

本来の状態に髪や地肌を「リセットする」ことが出来るのが強いメリットであるノンシリコンシャンプーですが、この効果によって「髪がきしむ」「地肌が乾く」などのデメリットを感じる方も多くいます。

ヘアオイルはこのノンシリコンシャンプーによるデメリットを根こそぎ解消してくれるアイテム。

科学的に合成されたシリコンと同じような働きを、このヘアオイルが補ってくれます。

このため「ノンシリコンシャンプーに変え、ヘアケアにヘアオイルをプラスする」という美髪対策の新常識とも言える方程式が誕生し、現代の大流行に繋がっていると言えるのです。

どこででも使える携帯トリートメントとしても人気

更にヘアオイルのメリットとして、携帯が非常に手軽に出来るということもあります。

髪全体を保湿するのにヘアオイルの場合2〜3滴、多くても5〜6滴あれば十分であるため、香水などを入れておく小瓶にヘアオイルを入れて携帯している女性が多いようです。

こうしておけば、外出先のエアコンなどで乾燥した髪を労るのにも使えますし、ちょっとしたお化粧直しと一緒にヘアメイクの手直しも簡単にできます。

持ち運べる「トリートメント」「整髪料」の二役をこなしてくれる現代女性にとっては無くてはならないマストアイテムになっているのです。

ヘアオイルの効果に保湿だけではない7つのパワー

ヘアオイルには様々な効果があります。オイルの種類によっても特化するパワーが異なるため、個人差の大きい髪の悩みにも対応出来るという非常に大きな魅力があります。

最も高いのは保湿効果と保湿維持力

高い保湿力は太古の昔から認められ、髪や頭皮の乾燥を防ぐ目的で非常に多くの人たちに愛用されてきました。

ヘアオイルの保湿効果が高い理由は、密封性と非揮発性にあります。簡単に言えば、コーティングする密着力が高く空気として蒸発しにくい性質です。

通常、水の配合量が多いクリームやジェルは時間経過とともに蒸発してしまいます。その効果は保って最大7〜8時間程度と考えられているので、1日1回では保湿が足りないことになります。

しかしオイルであれば、最大24〜26時間程度は髪に留まると考えられているので、髪への水分補給の時間が非常に長く保てるということになります。

この保湿力と長時間の保湿維持力によって、髪内部の水分バランスを整えることが十分に行えるのです。

ドライヤーや太陽光などの熱ダメージからの保護

更に、高いコーティング力によって外部からのダメージ原因から髪を保護することも出来ます。

強い熱刺激によって、髪を作っているタンパク質は変形していきます。これがうねり、切れ毛、クセ毛などの原因なのですが、髪内部にしっかりと水分が残っている状態と外部からの熱刺激の軽減という2つの条件が揃えばこのタンパク質の変形は防ぐことが出来ます。

ヘアオイルの保湿力で髪内部の水分を補給しながら、高いコーティング力でしっかりと髪表面にフタをし外側からの熱を軽減することによって、ドライヤーの熱や太陽光の熱などタンパク質の変形を促す原因にアプローチができるのです。

ブラッシングや静電気などの摩擦ダメージからの保護

ヘアオイルは熱刺激だけではなく、ブラッシングなどによる「摩擦刺激」からも髪を守ってくれます。

摩擦によって発生する微量の熱や電気も、ドライヤーなどと同じく髪内部のタンパク質変形を助長する原因となります。

特に空気中の水分が少なく乾燥している秋冬、季節の変わり目などにはこれらの刺激が大きくなり、パサつきやうねりを起こしやすくなるのですが、オイルでコーティングすることによってこの摩擦刺激を低減できるのです。

保湿と油分補給による天然のツヤ出し効果

ヘアオイルの保湿力によって守られた水分と脂質が生み出すのは健康的なハリやツヤです。いわゆる美容効果、美髪効果はこのハリ感やツヤ感が作っているのです。

乾燥や傷みが激しい髪の場合、この髪の内側から輝く光沢が失われているため、パサパサした印象の輝きの無い髪に見えます。

しかし髪の内側からしっかりと健やかな水分バランスを保持できていれば、自然と髪に光沢が生まれ、つややかな髪に見えます。

ヘアオイルはこうした「髪本来の輝き」を育みながら、それ自体の油分によってもツヤ感を発揮するため非常にナチュラルな光沢感を長時間発揮できるのです。

バリア機能向上による頭皮環境の改善、肌荒れ予防

適度な水分と適度な油分によって、頭部全体のバリア機能も保護・向上されます。

人間の皮膚は健康な状態であれば、外部からの有害物質や細菌からその身を守るバリア膜が張られています。これは頭皮や髪も同様なのですが、過度の乾燥や疾病、熱や摩擦刺激によるダメージか過剰になるとこの膜も薄く弱くなってしまい、肌荒れや頭皮荒れの原因になります。

人間の皮膚や頭皮には何全種類という常在菌が住み着いていて、これらの菌が上手にバランスを取り合いながらバリア膜を作ったり、有害物質を排除したりしています。

この常在菌の栄養となる水分や油分が不足してしまうことを防ぐ効果も、ヘアオイルは担っているのです。

一部のオイルに含まれる抗酸化物質がエイジングサインに効果

天然の植物から抽出されるヘアオイルの中には、強い抗酸化作用をもつものもあります。

酸化が進むと髪のpHは酸性に傾き過ぎ、これが白髪や抜け毛などエイジングサインの元になります。

こうした酸化スピードを抑制する性質をもつものが抗酸化物質となりますが、植物にはこの抗酸化物質を保持しているものが種類多くあるのです。

  • アルガンオイル
  • ホホバオイル
  • オリーブオイル 等

特にアルガンオイルの場合、抗酸化作用や血行促進に効果のあるビタミンEという栄養素が豊富で「スーパーオイル」としても注目を集めています。

抗酸化力はオリーブオイルの3倍とも言われ、近年の高級ヘアケア商品にも必ずといっていいほど頻繁に使用されています。

使い方を変えれば頭皮クレンジングにも使える

毛先にちょっとつけるだけ…という髪へのトリートメント剤としての使い方が主流ですが、実はこのヘアオイルを頭皮クレンジングとして用いる「オイルクレンジングケア」もおすすめです。

毎日分泌される皮脂や、使用する粘着力の高い整髪料などは洗い残してしまうと残留物として髪や地肌を傷めてしまいます。こうしたネバネバ系の汚れをスッキリと一層できるのが頭皮クレンジングです。

髪の毛につけるより少したっぷり目にオイルを手のひらに伸ばし、温めた髪と頭皮に揉み込むように馴染ませて洗い流すという非常にシンプルな洗髪方法なので、やりたいと思った時に出来るのも魅力。

月に1〜2度のスペシャルケアとして行うことで、髪のリセット効果と同時に頭皮環境の改善にも役立ちます。

ヘアオイルは正しく使い分ければ最強のトリートメント剤になる

ヘアオイルには数々の効果がありますが、実はオイルによっても特化能力が異なります。

オイル美容をしたいなら、オイルの特色と正しい使い方、使い分けがポイント。目的をしっかり定めて、効果を最大限に発揮させましょう。

保湿効果を狙うならタオルドライ後に1〜2滴

髪の乾燥対策、美髪対策にオイルを用いるのであれば、伸びの良いオイルをチョイスします。

不純物が入っていると油焼けや肌トラブルの原因になる可能性もあるので、無添加のもの、天然系のオイルを選ぶようにしましょう。

  • アルガンオイル
  • ホホバオイル
  • 椿オイル
  • アボカドオイル
  • グレープシードオイル

また、つけるタイミングもポイント。

髪は温まって湿り気を帯びている状態が一番無防備で、色々な物を吸収します。つまり洗髪後、タオルドライをした後にヘアオイルを馴染ませればトリートメント効果が最大限となるのです。

塗布量は髪の長さや多さにもよりますが、目安は

  • ショート、ミディアム→2滴程度を手のひらに伸ばしてつける
  • セミロング→3〜4滴を1〜2回に分けて伸ばす
  • ロング→4〜5滴を2〜3回に分けて伸ばす

いっぺんに出してつけようとすると、つけムラが出来たりつけすぎて逆効果を起こしたりすることもあるので、髪が長い人、髪の量が多い人は少しずつ、小分けにしてつけるようにしてみて下さい。

クレンジング効果を狙うなら肌なじみの良いテクスチャのものを

スペシャルケアとしてオイルクレンジングに用いるのであれば、伸びの良さや香りなどより肌に馴染みやすいタイプのものを選んでみて下さい。

オイルは体温によって柔らかくなり伸びるものなので、どんなテクスチャのものが自分の体温に素早く反応するかを色々試してみても良いでしょう。

手のひらに取って、体温でサラッとする時間が短いもののほうが馴染みが良いということになります。

アルガンオイルやホホバオイルなどは、クセが少なくトリートメントとしてもクレンジングとしても人気があります。

またそれ以外にも、血行促進効果の高いセサミオイルや白髪予防にも効果が期待されるココナッツオイルなどを使うことで、エイジング対策も同時に行うことも可能です。

ヘアオイルは多種多様!好みの使用感を見つけてみよう

髪にも肌にもオイル美容、というブームが起こってから数年。今や専門店だけでなく、近くのドラッグストア、通販コスメにも美容オイルが浸透しています。

また、近年の美容研究によって美容オイルの種類も数多く発見され、2〜30年前とは比べ物にならないほどの多機能ブレンドオイルなども開発されました。

使用感などもそれぞれのタイプによって異なりますし、リラックス作用を付加したアロマティックオイルや顔にも使えるマルチオイルなども増えています。

オイルを使ってヘアケア、スキンケアを行うのであれば、まずは自分の目的と好みの使用感を明確にしてみて下さい。

そして必ずテスターを使って、実際に肌なじみを確認することも大切なポイント。妥協しないオイル美容こそ、最大の近道なのです。

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