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ドライヤーの適切な温度って知ってる?「低温で素早く」が美髪道への正解

  • 髪の成分を傷めないシャンプーやトリートメント
  • 地肌の水分や油分のバランス
  • 乾燥対策
  • 髪や地肌に良い食べ物、飲み物

沢山の事柄を思い浮かべる方もいますが、その中で「ドライヤーの使い方」に重きをおいておられる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

ドライヤーはかけすぎると頭皮細胞や髪質を変性させ傷めてしまう、というのはご存知の方も多いですが、実はこれには「ドライヤーの温度」が大きく関係しています。


髪を傷めないドライヤーの温度って何度?

正しいドライヤーの温度とかけ方をマスターしてしまえば、むしろ雑菌を増やさず素早くキレイなスタイルを整えることができる文明の利器「ドライヤー」。

一体どのくらいの温度が美髪を守り育てるのに適正なのでしょうか。

理想は70度前後の「低温」

突然ですが、あなたはどちらのドライヤーの使い方が正しいと感じますか?

  1. 高温で2〜3分以内の短時間に素早く乾かす
  2. 低温で5分〜8分程度時間をかけて乾かす

正解は後者、低温である程度時間をかけて乾かすのが美髪育成の秘訣です。

確かに熱を地肌にあて続けると頭皮や髪のタンパク質が傷んでしまいますから、「ある程度」といっても10分も20分もかけるのはご法度です。しかし、低温で髪と地肌を温めながら5分程度時間をかけるのはOK。

高温で短時間に仕上げようとすると、急激な加熱によって髪内部のタンパク質が変形してしまうためうねりやクセを生みますし、それを日常的に繰り返すと頭皮ダメージによって脱毛や白髪の原因にもなりえます。

ドライヤーの基本は70度前後の低温が理想的ということを覚えておきましょう。

地肌をしっかり乾かし、髪は7〜8割程度でOK

低温ではしっかりと乾かない、しっかりと乾かさないと髪に悪い…というジレンマにお悩みになってしまう方もいるかと思いますが、実はしっかりと乾かさないといけないのは「頭皮」であり、「髪」ではないのです。

頭皮には常在菌という数百種類もの菌が共存しており、頭皮のいらない脂質やゴミ、角質などをエサにして質の良い油分や水分バランスの調節などを行っています。

しかし「菌」であるがゆえ、過剰な高温多湿の状態では数が増えすぎてしまい、かゆみ、痛み、臭いの元になることがあるため、出来る限りしっかりと頭皮上の不要な水分を乾かす必要があります。

髪をしっかりと乾かさないとならない、というのは「濡れた髪はキューティクルが開いており、傷みやすいため」であるというのはご承知の方も多いと思いますが、このキューティクルは湿気が7割〜8割乾けば自然と閉じてきます。

頭皮をしっかりと乾かすには、どうドライヤーのあて方を変えても髪にも熱風が届きますから、その際についでに乾かす程度のイメージで十分です。頭皮が乾けば、数分〜数十分で髪も完全に乾燥していくのです。

ドライヤーで乾かすのは「髪」ではなく「頭皮」なのです。

サロンは「温度切りかえ」と「髪揺らし」が基本

美容室やヘアサロンでシャンプー後のドライを受けられたことがある方はイメージ出来ると思いますが、スタイリストさんたちはあの時に「髪」を乾かしているのではなく「頭皮」を乾かしています。

サロンによって技術には差があるかもしれませんが、基本的なテクニックとして美容学校などでは「温度切りかえ」と「髪揺らし」を教えているとのこと。

低温→高温→低温の切りかえ
髪をしっかりとタオルドライし、まずは低温で頭部全体に空気を送ります。根本が少し立ち上がってきたと感じたらやや温度を上げ、耳周りや後頭部など湿気がこもりやすいところを温め、その後低温に戻し全体を乾かします。
髪揺らしで頭皮を狙い撃つ
髪揺らしは髪に少しずつ分け目を作り、そこに温風をあてて地肌を乾かすテクニックです。ひと束ずつ髪を左右に振るようにすると、その根本に温風があたりやすくなります。それを頭部全体に行うことで、もれなく頭皮を乾かすことが出来ます。

プロでもドライヤーの高温を使うのは耳周りなど乾きにくい部分のみで、その他の大半の部分では低温を使います。

髪を小刻みに揺らすことでより湿気が早く飛ぶようになりますし、根本もふっくらとするので仕上げのスタイリング時にまとまりやすくなるのです。

自宅のドライヤーでセルフブローをする時の温度は?

サロンにあるような高機能ドライヤーがないと美髪を育てるセルフブローは難しいのか、といえば、実はドライヤーそのもののクセをわかっていればそれほど上級テクニックは必要ありません。

ご自宅で、ご自分でも美髪のためのブローは可能なのです。

一般的なヘアドライヤーは100度以上になる

通常、一般家庭にあるヘアドライヤーの場合で平均的な温度は80〜100度くらいと言われています。

これは温風が出て来る吹き出し口付近の温度ですが、最近は高温かつターボ風速の強い温風が出るものも多く販売されています。

1200Wのハイパワードライヤーですと吹き出し口の熱風は140度ほどまで上がるものもあり、旧式の800Wのものだとしても90度程度まで上がります。

髪や地肌の温度が100度近くまで上がった場合、タンパク質が変性してしまい縮れる、うねる、パサつきや切れ毛の原因になります。

ハイパワーのドライヤーを使う場合、温度調節を低温、あるいは中温程度まで下げた上で「風量」をキープするのがコツです。

低温モードが搭載されているドライヤーがベター

近年ではメーカーも「髪にとって理想的な温度」を熟知しており、低温モードを搭載したハイパワー商品を次々に開発しています。

おすすめは低温モードを搭載し、かつワット数は高めのドライヤー。これだと温度調節にさほどストレスを感じない上、風量をキープしたままドライできるため髪や地肌へのダメージを軽減できます。

流行のナノイオンを髪に吹き付けるタイプのものは低温モードを搭載しているものがほとんど。髪に必要な潤いを守りながら低温で地肌を乾かせるため、髪の長い女性にも魅力が高いようです。

高温を使う場合は耳周りなどの湿気のこもりやすい部位に限定し、髪全体は低温モードを使って仕上げてみると髪のまとまり感がかなり変わってきます。

吹き出し口から髪までの距離を15cm以上に

ご家庭のドライヤーの中には低温モードが搭載されていないもの、温度調節が難しいものもあります。その場合は「吹き出し口と髪までの距離」を調節してみましょう。

ドライヤーの使用説明書などにも「5cm以上は離して使用する」などの記載がありますが、先述した通り、吹き出し口付近の温度は100度以上になります。この吹き出し口付近の温度が遠ざかれば遠ざかるほど、室温と熱風が混ざり温度が下がります。

一般的には1cm距離が開けば5℃程度温度が下がるとされていますので、800W(90℃)のものであれば15cm、1200W(140℃)のものであれば20cm、吹き出し口と髪までの距離があれば理想的な70℃まで下がります。

ドライヤーが重くて20cmも距離を保てない!という方におすすめなのが「ドライヤースタンド」という電気スタンドのような形のアイテム。高さや距離が調節できるものも沢山発売されています。

いつも使っているドライヤーをスタンドにセットすれば、両手が開きますし重さも感じないため、低温でのドライで感じる疲労感を軽減出来ますよ。

冷風でキューティクルをしっかりと閉じる

低温で髪全体を7割程度乾かしたら、最後に冷風(送風)で髪のキューティクルをしっかりと閉じましょう。

いくら理想的な低温で仕上げたとしても、そのままでは70℃程度の熱量が髪に残ってしまっています。この温度は髪を柔らかく保つには最適ですが、キューティクルまで柔らかくなってしまっているため半開きのような状態になっていると考えて下さい。

私達のお肌はお風呂上がりには毛穴が開いていますが、きちんと化粧水などで引き締めを行えばキメの整った状態に仕上がります。髪にもそれと同じことが言えるのです。

ヘアアイロンも極力低温が失敗知らず

ドライヤーに限らず、ヘアスタイルを決めるためのコテやヘアアイロンも極力低温が望ましいとされています。

ストレートに強いカールをつける場合にはある程度の温度が必要になりますが、温度を高温にせずカールを維持させるテクニックもあります。

髪は完全に乾いた状態でスタート
髪が湿っていると髪内部に熱が伝わりにくく、結果的に長時間高温のアイロンを当てることになってしまいます。まずは髪を低温でじっくりあたため、極力水分を飛ばしましょう。
理想温度は130℃〜140℃で一箇所あたり5〜10秒
一般的なヘアアイロンは、ハイモードにすると180℃程度まで上がります。これを直接髪にあてれば、どのような予防策をとってもあまり効果はありません。130℃〜140℃に設定し、一箇所あたり5秒程度当てるようにしましょう。髪が太い、クセがつきにくい人でも、10秒程度当てれば髪にクセは残ります。
ブロッキングし、髪を内側から巻く
全体を一気に巻こうとしても、髪の厚みとボリュームによって熱がうまく伝わりません。髪は頭頂部で2箇所、左右の耳の後ろで2箇所、合計6箇所でブロッキングし、下側の髪から巻きましょう。
アイロン用ミストやムースをもみこんでおく
アイロンを当てる髪にアイロン用のミストやムースをつけておくのも素早くクセ付け、長持ちをさせるコツです。最近は高温から髪を守るタイプのトリートメント成分が配合されているものもあります。

「熱い」と感じたらダメージが起こっていると考えて

ドライヤーをあてていて、耳周りやおでこ、頭頂部に熱を感じたことがある人は多いと思います。この時の感覚は実は非常に大切です。

耳周りや頭頂部にじんわりと温かみを感じる程度の熱感であれば理想的ですが、ちょっとひりつくような熱さを感じたらすでに頭皮や髪は火傷をしてしまっているような状態です。

頭皮も髪も人体の一部、有機細胞のひとつですから、高すぎる温度では細胞の形が変わったり壊れたりしてしまいます。このダメージも一時的なものであれば自己修復が可能ですが、継続的なダメージはカバー仕切れず、最終的には脱毛などの原因になります。

日常的なトリートメントやヘッドスパなどのメンテナンスももちろん大切ですが、ドライの方法やスタイリングの基礎なども一度見直してみることで、より美髪を健やかに守り育てることが可能になってきます。

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