育毛
ひまし油に育毛効果?!髪や頭皮を健やかにする6つの理由とは
ひまし油、と聞いて多くの人がそう思うのではないでしょうか?かくいう私もひまし油、と聞いてもすぐにピンとは来ませんでした。時折外国の映画や本などで登場するひまし油ですが、日本ではまだあまり馴染みがないのです。
あまり知られてはいないものの、実は色々なコスメにも使用されているひまし油には、「ただの油」としてだけではない様々な効果があることが近年になって注目されるようになりました。
オイル美容やオイル医療がブームになったここ数年で日本女性の中でも徐々に人気が上がっています。
特に薄毛や白髪対策に効果がある!というポイントに魅力を感じる人が多いのですが、一体なぜ「油」に育毛効果があると言われているのでしょうか?
育毛効果があると言われるひまし油って何?
ひまし油は別名カスターオイル(キャスターオイル)、元は東アフリカ原産のトウダイグサ科の植物です。トウゴマという種子がつく植物ですが、リシンという毒が含まれているため食用としては使うことが出来ません。
毒がある植物の種から摂れる「ひまし油」には毒性がない…というのも不思議な話ですが、その歴史は意外なほど古くからあるのです。
古代エジプトでも使われていた
古代エジプトの遺跡群や古代ギリシャの遺跡群からも、ひまし油や元の種子であるトウゴマが発見されています。
ひまし油ははるかな昔から、たいまつ用の油としても室内用の明かり油としても優秀だったのですが、文献には「旅人はひまし油を体に塗る」といった文言も見つかっています。
古代の人たちの生活の中で、ひまし油は色々な用途で好まれる生活必需品であった、というのは間違いがないでしょう。
日本では元々は工業用油だった
とはいえ、トウゴマの毒性は食用にすると猛毒となるため、日本ではあくまでも「工業用」「生活用」の油として使用されてきました。
粘度の高いひまし油は潤滑油として非常に優秀であるため、工業機械の潤滑剤として、またエンジンオイルとして現在も幅広く活用されています。
インドや欧米諸国などで昔からひまし油が医療用として用いられていることが広まり、日本でも化粧品や整髪料などに用いられることが増え、現在では石鹸や口紅など多くのコスメアイテムに配合されています。
オイルテラピーで使用されることが多い
古くから人々の生活の中で愛用されてきたひまし油は、伝統医療の中でも用いられています。
ひまし油が摂れるヒマ(トウゴマ)は実は世界中で採取できる非常にありふれた植物です。身近な草木から摂れる、というのも日常生活の癒しに向いていたのかもしれませんね。
ひまし油が髪や頭皮に良いと言われる理由とは
工業用、皮膚に塗る、下剤…色々なシーンで活躍するひまし油ですが、育毛に良いと言われる理由は驚異的な栄養素を含んでいるということに尽きます。
特に育毛に役立つ栄養素が多く、実際に髪が生えてきた、伸びが早くなった、白髪が減ったという効果を実感している人もインターネット上で多く見かけました。
ではその驚異的な栄養素とはどんなものなのかを見ていきましょう。
驚異的なリシノール酸含有率
ひまし油の成分を分析すると、次のような配合になっていることがわかります。
- リシノール酸…85%以上
- リノール酸…5%程度
- オレイン酸…5%以上
- ステアリン酸…1%程度
- パルミチン酸…1%程度
- ヒドロキシステアリン酸…0.5%程度
- その他 1〜2%
リシノール酸が突出して多いのがお分かりいただけると思います。
このリシノール酸は不飽和脂肪酸のひとつで、リシノール酸に含まれるトリグリセリドが人体に取り込まれることで
- 抗菌作用
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用
- 免疫力の向上
- エネルギー代謝の活性化
などに期待ができると言われています。
原産国や欧米では葉の形が手のひらに似ていることから「神の手」と呼ばれる植物ですが、神の手から摂れるひまし油のことも、この万能薬のような効能から「神の油」と称している国もあるほどなのです。
2.デトックス効果に注目される
- 肝臓や腎臓が体に溜まった毒素を分解するのを助ける
- 不要な老廃物が除去されることで細胞の生まれ変わりが促進される
- 排出機能が高いことで新しい細胞が傷みにくい
- エネルギー代謝が活発になるため健やかな細胞が早く育つ
肝臓や腎臓が活発に働けば、このような代謝サイクルが生み出され体が疲れにくく、かつ疲れを溜め込みにくい状態をキープしやすくなります。
そこからイキイキとした細胞がまた作られる…という好循環が生まれ、健やかな肌や髪が育ちやすい環境が出来るのです。
3.リシノール酸がpHバランスを整える
人体の肌や髪は弱酸性の状態が最も理想的と言われていますが、石鹸やシャンプー、あるいは整髪料やカラーリング剤などはそのほとんどが「アルカリ性」の成分です。
髪の成分を弱酸性から一時的にアルカリ性にする分には問題はありませんが、アルカリ性の髪はキューティクルが開いた状態。
この状態を長く維持していると髪内部の水分やタンパク質が逃げてしまうので、極力弱酸性に戻しやすくするケアを行うほうが良いのです。
パーマやカラーをした後など、髪が強アルカリ性に傾いている状態の時はひまし油を使ったトリートメントケアが有効で、実際に様々な美容サロンでもひまし油トリートメントが行われています。
4.粘着性の高い油でオイルクレンジング効果
ひまし油に含まれているヒドロキシステアリン酸は高い粘度を持っているため、ひまし油はオリーブオイルやホホバオイルなどの他のオイルに比べても非常に粘度の高い油です。
粘度や粘着性が高いということは、汚れや皮脂など不要なものを絡め取る「吸着率」も高いということになります。
ただし、粘着性が高いオイルはきちんとオフしないとベタつきの原因にもなりえます。ひまし油を使って頭皮マッサージをする時は、マッサージ「後」にシャンプーをするようにしましょう。
5.豊富な不飽和脂肪酸が細胞を構成する源になる
リシノール酸、リノール酸、オレイン酸…ひまし油のほとんどの構成成分は不飽和脂肪酸になります。
不飽和脂肪酸は体内で自然合成できない物質であるため、私達生命体は植物や食物からこの不飽和脂肪酸を補給しないとなりません。
さらに不飽和脂肪酸は抗酸化力が高い脂質であるため、細胞内から活性酸素を除去し、若々しい髪を作り出すことにも作用します。血行不良とエイジングケアが同時に行えることで、育毛に良いと考えられているのですね。
6.潤いを閉じ込め健やかで強い髪を作る
不飽和脂肪酸とは対極にある飽和脂肪酸も、ひまし油にはしっかりと含まれています。
この乳化・凝固作用で、ひまし油の脂質の浸透率が高まり、かつ水分をギュッと一緒に閉じ込めてくれるので保湿効果が高まるということがわかっています。
頭皮の乾燥、キューティクルの乾燥は脱毛の原因のひとつです。脂質と水分を両方同時に補給し、かつ保護することが出来ることで髪の毛の赤ちゃんが健やかに育ちやすい環境づくりに役立つというわけです。
また、潤いがしっかりと保持されている髪は太く、コシのある強い髪。頭皮の毛乳頭にしっかりと根を張り抜けにくい性質があるため、薄毛に悩まれている方の髪質改善にも効果が期待できます。
コスメアイテムとして改良されたひまし油がベター
ひまし油が育毛・発毛に効果的であるということは、すなわち肌や粘膜部分の細胞にとっても良いわけです。
とはいえ、体に塗る、取り込むつもりなのであればやはりそれ用に改良されているひまし油を使用する方がベターです。
ひまし油は工業用油としても優秀なので、安価で業務用ひまし油も販売されていますし、それを使えば低コスト!といった文言を使用しているサイトも多く見られました。
しかし工業用のオイルは「人体に取り込むことを想定しない」という製造過程で作られている可能性も高くなり、不純物などが混入するリスクも上がります。極端に言えば毒性のあるトウゴマの成分が入り込んでしまう可能性も否定は出来ません。
体につけるもの、飲用・食用するものは「それを前提として製造されたもの」を利用しましょう。
極端に神経質になる必要はありませんが、健康美容のためのアイテムは「安全であること」が大前提であることを忘れないようにしたいものですよね。