figure mask

生活習慣

プールの塩素が髪に与える悪影響って何?6つの対策で乗り切ろう!

特に全身シェイプアップや筋力アップ、スタイルアップに効果的であることから女性にも人気が高まっているのですが、その影で「これがイヤだからプールには行きたくない…」とまで言わしめてしまうハードルがあります。

それが「塩素による髪ダメージ」です。

楽しくプールで遊び終わったあと、お風呂に入るとなぜか髪がキシキシ…頭皮もごわついて硬くなり、次の日ふと鏡を見たらカラーリングしたかのような明るさに…という経験をされた方も少なくはありません。

プールに必ず使用される「塩素」によって起きやすい反応ですが、きちんと「塩素対策」をすれば、敬遠しなくてはならない理由も軽減されます。夏本番が来る前に、美髪を守りながらプールでぐぐっとスタイルアップをしてみませんか?


塩素が髪に悪いとされるのはなぜ?

「塩素」はよく耳にする成分の名前ですが、一体なぜ「髪に悪い」のでしょうか。一般的にも広く普及している成分ですが、その「広く普及した理由」が「髪に悪い」成分の正体なのです。

塩素は強力な消毒成分

塩素が一般家庭にも根付いているのは皆さんご存知の通りです。もしかすると各家庭にひとつ位は「塩素」が配合された製品があるのではないでしょうか。

塩素が使われている製品は次のようなものになります。

  • 食器漂白剤
  • キッチンハイター
  • カビ取り用洗剤
  • トイレ漂白剤
  • 洗濯槽洗剤
  • 排水口のぬめり取り洗剤 など

いかがでしょうか?大半のご家庭で使われている衛生用品ばかりですよね。塩素はカビや雑菌を取り去り、雑菌の繁殖を抑える強力な消毒成分なのです。

正しく使えば非常に短時間、かつ効率も完成度も高く衛生面をサポートしてくれますが、反面カビまで根こそぎ落とすような強力な洗浄成分ですので、有機生命体にとっては必要な油脂、常在菌、栄養成分にも当然その力を発揮してしまうのです。

過剰な摂取や接触は有害とされる

塩素は洗剤類だけでなく、プール、公衆浴場、家庭の水道水にも使われています。

これは厚生労働省が施行している「水道法」により、感染症対策のため一定の水質基準を保つために基準内での塩素の使用が定められているためです。

一般家庭の水道水よりも、不特定多数の人が使うプールでは滅菌・消毒のために塩素濃度もやや濃く、かつ数種類の塩素が配合されますので、若干刺激性は高くなります。

水で希釈された塩素水に1度や2度触れた位では、アレルギー反応をお持ちの方以外は大した影響はありません。

しかし濃度の濃い塩素水、あるいは塩素消毒剤に過剰に触れたり、長時間浸かっているような状態になると、皮膚や髪など表皮からダメージが起こります。

高濃度の塩素は人体にとっては毒性のある成分で、過剰な摂取や接触はがんの起因となる、血管や細胞への悪影響がある、といったリスクも指摘されています。

ただしこれは水道法でさだめられた基準値を大幅に上回った濃度の場合です。基本的にはこの基準値を超えるような濃度の塩素は配合されませんので、あまり神経質になる必要もありません。

軽いダメージをきちんとケアすれば、傷みが蓄積されることも軽減することが出来ます。

過度な殺菌は髪や肌の表面にダメージを与える

髪、頭皮、皮膚には数え切れないほどの雑菌が存在しています。

これを「常在菌」といい、私達の肌の状態を健やかに整えるサイクルを作り出すには欠かせない有機生命体のパートナーといえます。

ある種の常在菌は私達が体の中から作り出す皮脂をエサにし、皮膚の表面を守るための皮脂膜というバリアを作り出してくれますし、別の種の常在菌は外部からの有害成分をエサとし、体の内側に入り込まないように素早く食べてくれるのですが、代償として臭いを生み出すものもいます。

いわば「Win-Win」の関係を作り出す常在菌は、塩素によって滅菌されるものがほとんど。

力を失った常在菌は満足に働くことが出来ず、結果的に皮脂膜が薄くなってバリア機能が弱る、有害成分から身を守れず皮膚炎や毛包炎を起こす、といった症状が出て来る人もいます。

プールの塩素が髪に与えるダメージって?

プールに含まれる濃度の高い塩素に長時間、あるいは継続的に髪をさらした場合に起こるダメージは色々なものがあり、その人の体質や髪質などによって起こる内容もやや差があります。

命に関わるようなものではありませんが、美髪を心がけている人にとってはどれも「避けたい!」というものばかりです。

根本はキューティクルへのダメージ

塩素によって真っ先にダメージを受けるのは、地肌というより髪の方です。

髪の表面には、キューティクルと呼ばれる髪の芯を守っているタンパク質の膜があります。塩素によってアルカリ性に傾いた髪はキューティクルが開いていきます。

キューティクルは非常に繊細なので、開いた状態が長時間続くと剥がれ落ち、髪の芯がむき出しの状態になります。これが枝毛、切れ毛、抜け毛の原因となる深刻なダメージになるのです。

パーマやカラーリングなどでは薬剤であえてキューティクルを開き、髪を曲げたり色を変えたりするのですが、強い塩素に長時間さらすということは「長時間パーマやカラー剤を与え続けている状態」に近いと言えばイメージしやすいかもしれません。

頭皮への刺激性ダメージ

次に塩素による頭皮のダメージですが、これも髪と同じく強いアルカリ性に傾くことで起こる頭皮の細胞質の変性によるものが大きいです。

また、強い殺菌消毒成分により頭皮に存在する常在菌が死滅し、有害な雑菌が増えてしまうことも結果的に頭皮に悪影響を及ぼします。かゆみ、ヒリつき、刺激のある痛みなどが起こることもあり、皮膚科に相談に行く人もいます。

頭皮にはわかっているだけで200種類以上の常在菌がいると言われており、どれもそれぞれのバランスを保ち、領域を守ることで人体に良い効果をもたらしています。

しかし塩素によって一部の菌が死滅したりすると、その均衡が崩れ臭いやかゆみを生み出す菌の勢力が増してしまいます。

最近は「洗いすぎは髪ダメージの元」といった情報も浸透していますが、この「洗いすぎの状態」がプールの塩素によっても起こるのです。

色素細胞が衰えることで脱色作用が起こる

キューティクルが開き、頭皮にもダメージが加わると髪の色を決めている色素細胞にも変性が起こります。

多くの場合は細胞が非活性化し、その人の遺伝子に組み込まれている色を作り出すことが出来なくなります。髪色が薄く、明るい状態で生まれてきてしまうのです。

また、元々伸びている部分の髪の色素も塩素の漂白作用によって抜けやすくなるため、ブリーチしたような明るい色に変化してしまいます。

夏のプール等の場合、これに加えて太陽の紫外線も強いためこの漂白作用が非常に早いスピードで起こってしまい、学校や会社で指摘されてしまったという体験談も多いようです。

無理な摩擦力が起こり脱毛に繋がることも

塩素による消毒作用、漂白作用は強い乾燥の原因となります。

必要な皮脂をすべて洗い流し、かつ皮脂をバランス良く頭皮や髪に行き渡らせる常在菌も少ないために頭皮も髪もカラカラになりやすいのです。

この乾燥しきった髪は指通りが悪く、キシキシという不快な手触りの髪、ゴワゴワとした硬い頭皮の元。

この状態を改善しようと頑張ってクシを通しても、元々の水分や油分が足りていないために不要な摩擦が起こり、切れ毛や抜け毛の原因になってしまいます。

プールには通いたい!でも髪は傷めたくない!

プールに配合される塩素は家庭水道に流れているものより高濃度である、ということはご説明しましたが、かといって「絶対に体に悪いから入ってはダメ」ということではありません。きちんと事前・事後のケアをすれば、そうしたダメージは軽減できます。

美髪を守るためのほんの一手間を惜しまなければ、健康のためのプールを諦めなくて良いのです。

1.プールに入る前に髪をしっかり濡らす

喉が乾いている人にお水を差し出せば、殆どの人がなんの疑いもなく飲むのと同じで、乾いた髪は水分を感じると「とりあえず補給しよう」とその水分を吸収します。しかし、補給しようとした水分の性質までは読み取れません。

プールや海に乾いた状態の髪のまま入ると、強い塩素成分の水だとしても髪は一気飲みしてしまい、結果的にキューティクルを開かせるアルカリ性の状態にしてしまいます。

これを防ぐには、まずは真水でしっかりと髪を濡らしておくこと。

水分を先にたっぷりと含ませておけば、余分な水分を吸収しようとはしなくなります。そのため強い塩素成分が髪に接触しても、過剰に塩素を取り込むことを防いでくれるというわけです。

2.髪はきっちりとまとめ、2種のキャップで徹底防御

水泳の選手が浸かっているような水泳用キャップは、水の抵抗を少なくするためのものであると同時に塩素や水中の雑菌から髪や頭皮を守ることも出来ます。

実際に水泳インストラクターやジムのトレーナーの方が推奨している方法としては、2種類のキャップを使用し髪を塩素から守る予防法があります。

  • 透過性のあるメッシュ生地で髪や頭皮に水分を残りにくくする
  • 上からシリコン生地のキャップをかぶり、浸透性を抑える
髪が長い人、量が多い人は髪と髪の間に水分が溜まりやすく、塩素が長時間髪の間に残ってしまいますので、こうしたキャップで極力塩素が髪に触れる時間や範囲を狭くするというわけです。

水泳の帽子は伸縮性があるため、きっちりめに髪をまとめればロングヘアの人の頭でも問題なくカバー出来ます。髪をまとめることも塩素にさらす面積を抑える効果がありますので、枝毛や切れ毛を防ぎたい人にはおすすめです。

3.プールから出たら水でよくゆすぐ

事前のケアをきちんとしたとしても、やはり水中に含まれる塩素を100%カット出来るわけではありません。1時間プールに入れば、どうしても髪や頭皮に塩素はついてしまいます。そのため、事後ケアも丁寧に行いましょう。

大抵はプールにシャワーがついていると思いますが、まずは塩素にさらされた髪と頭皮はしっかりと水で洗い流しましょう。

この時、ヘアブラシなどを使いとかしながら流すという人もいるのですが、水分や油分を失った状態で無理な力を加えるとヘアダメージの元となる摩擦が生まれます。

頭皮が柔らかくなるまで、指の腹を使ってゆっくりと「水シャン」して下さい。

4.シャンプー前にレモン水でトリートメント

お家に帰ってお風呂に入る前にももう一手間かけてあげましょう。シャンプーをつける前に、レモン水で予洗いする方法です。

レモン水は酸性ですから、プールの塩素によってアルカリ性に傾いた髪や頭皮を中和し、弱酸性の状態に戻す効果があります。

しかし、シャンプーはややアルカリ性の成分ですので、シャンプー後だとあまり効果がありません。予洗いに用いることで、効果的に髪を健康的なpHに戻すことができるのです。

レモン水の作り方
ペットボトル(500ml)を2本用意し、水道水を入れます。そこにレモン汁を1/4分入れればOK。砂糖などが加えられていない調理用レモン果汁や、レモンパウダーでも大丈夫です。

あとはそのペットボトルをシャンプー前の髪にたっぷりとかけ、地肌から髪のキシキシを洗い流すイメージで予洗いし、通常通りシャンプーを行って下さい。

色々な口コミサイトを見てみると、レモン水以外にも「麺類の茹で汁に含まれるグルテンが髪のタンパク質を補ってツルツルにしてくれる」「無添加のトマトペーストでパックする」などユニークな方法が沢山ありました。

ご自身のお気に入りの方法を見つけてみるのも良いかもしれませんね!

5.シャンプーはアミノ酸系シャンプーがおすすめ

塩素に晒された髪は非常にナイーブ、デリケートな状態です。洗浄力の高すぎるシャンプーを使うと、残っていた皮脂や常在菌まで洗いすぎてしまう可能性があります。

特に界面活性剤の多いシャンプーは傷んだ髪にとっては致命傷のダメージを与えかねません。髪のpHや皮脂膜を守るため、アミノ酸系のシャンプーを使うようにしてください。

<プール後のおすすめシャンプー方法>

  1. 洗顔用の泡立てネットにアミノ酸系シャンプーを適量落とし、良く泡立てる
  2. 丁寧に予洗いした頭部になじませる。頭頂部、生え際、耳周り、後頭部、と作った泡を乗せていくようなイメージで行う
  3. 乗せた泡を頭皮になじませるように指の腹でゆっくり揉み込む
  4. ぬるめのシャワーで頭皮の間に水を流し込むようにゆすぐ

少し時間はかかりますが、摩擦を起こさず頭皮や髪を洗ってあげることで、残った皮脂や常在菌を守りながら不要な塩素を洗い流すことが出来ます。シャンプー後はトリートメントを使って、しっかりと保湿してあげることもお忘れなく。

6.週に1度炭酸ヘアパックでスペシャルケア

事前・事後のケアで塩素対策は万全!という人も、週に1度はスペシャルケアを行ってあげることで残留したダメージや日常から蓄積されているダメージをリセットすることが出来ます。

最近流行の「炭酸ヘアケア」は髪のpH状態を整え、かつ髪や地肌に残っている不純物をクレンジングしごっそり落とす効果があります。不要なものをオフできれば保湿やトリートメントの効果も高まるため、美容院でも最近は積極的に取り入れているケアです。

炭酸は薬局などで手軽に変えますし、ペットボトルと水道水を用意すればご自宅でも簡単に行えます。基本的にはレモン水ケアと同じく、水道水と炭酸をまぜたお水で髪を予洗い、シャンプーをしたらゆすぎも炭酸水で行うだけ。

頻繁にジムのプールを利用される方は、落としきれていない残留物も多くなりがちです。週に1度はスペシャルケアを行い、髪や頭皮をすっぴん状態に戻してあげて下さい。

過剰に心配しなくても大丈夫!

プールの塩素が髪や頭皮に与える影響は、確かに美髪を目指す人にとっては好ましくないものばかりです。

ただ、それを過剰に気にしすぎるあまり間違ったケアを行ってしまう人もいます。

  • 塩素が気になるから、30分くらいかけて髪を洗っている
  • プール後は必ずシャンプーで3度洗いする
  • トリートメントやオイルを地肌にまでたっぷりつける

髪や皮膚は洗いすぎても良くない、ということは先述した通りです。もちろん成分を残留させないということは大切なのですが、過剰に心配しすぎて洗いすぎの状態を作る必要もありません。

プールに入っている塩素は入ったら絶対に有害であるというほどの濃度ではありませんので、いつもより少し丁寧にみずでゆすぎ洗いをしてあげるだけでも十分なのです。

それに加え事前・事後のケアをしていれば、ほとんどの人はノーダメージでいられる程度の濃度であることを忘れず、ぜひ楽しくプールを有効活用して下さい。

そうした運動を続けることでストレス解消や血行促進など、美髪にとっても欠かせない様々な良い効果が生まれますよ。

Comment

ページトップへ