髪のうねり
髪のうねりの原因は3種類!タイプ別に見る本当の理由とは?
私は何故か子供の頃から、右側だけ髪がうねってしまうという厄介な癖毛でした。コマーシャルのモデルさんのように真っ直ぐでストンと流れ落ちるようなウルツヤスタイルに憧れるのですが、何故か右側だけ「くねりん」としてしまうのです。
合わせて、年齢を重ねるにつれておかしな生え方をする髪の毛が増えてきたような…一部分だけが太くなったり細くなったりする縮れ毛や、まるでスクリューするかの如くクルンクルンと強いカールを帯びたアホ毛が目立つようになりました。
髪質が変わったのかな、と思っていたのですが、実はこれは「蓄積されたダメージ」によるうねり髪だったことが美容師さんの助言により発覚!ちょっと調べてみると、耳に痛い原因が沢山ありました。
髪のうねりはセルフケアすることで緩和される場合も非常に多いものです。まずは自分のうねり髪をよく観察し、原因がどこにあるのかを見極めてみて下さい。
髪がうねる原因は3つに分類される
一言で「髪がうねる」と言っても、実はその原因は複数に分かれます。大きくは3種類に分類でき、その過半数はセルフケアを頑張れば緩和できるものばかり!では、どんな種類の「うねり」なら自分でケアできるのでしょうか。
髪のダメージによるうねり
まず、老若男女を問わず誰にでも起こりうるうねりの原因が「髪のダメージ」です。
髪は通常、3つの層で構成されているのをご存知でしょうか?
- メデュラ層
- メデュラ層は髪の一番内側、芯の部分にあたる細胞の層です。毛髄質と呼ばれることもあります。脂質とタンパク質で作られていて、この内側部分で潤いや細胞の質を保っていると考えられています。
- コルテックス層
- メデュラ層を囲むようにあるのがコルテックス層です。ケラチンというタンパク質の一種と大量の水分によって作られていて、この層の中にはメラノサイトなどの色素細胞や髪の毛の新陳代謝に関わる細胞も含まれています。
- キューティクル層
- 耳馴染みの深いキューティクル層は髪の毛の一番外側の構成要素です。メデュラ、コルテックスを一番外側からくるみこんでいるのがキューティクル。内側の組織を守り、さらにコーティングしてツヤを出す部分です。
私達にとっては目で見て手に触れることが出来るのはキューティクル層のみです。このキューティクル層を守ることが美髪につながる、という意識は非常に高く浸透していると言えるのですが、実は「髪の質」を決めているのはその内側の「コルテックス層」になります。
うねる髪を緩和したいのであれば、キューティクルケアだけではなく「コルテックスケア」もしないとならないということになるのです。
毛穴のダメージによるうねり
髪がうねる原因が頭皮にある場合もあります。ダメージは蓄積されていく性質があるため、長年に渡って頭皮ケアをしていないことで積み重ねられると毛穴が詰まったり歪んだりしてしまうのです。
指に輪ゴムを巻いて、2〜3分置いてみて下さい。指に輪ゴムの跡がつき、皮膚がよれてしまいますよね。さらにその指を動かそうとすると、皮膚が引っ張られるような感覚が起こると思います。これと同じ現象が髪にも起こっているというわけなのです。
遺伝によるうねりはセルフケアしにくい
最後によくあるのが「遺伝」という性質の原因。結論から先に申し上げれば、遺伝要素の高いうねりや癖毛はセルフケアでは改善しにくいと言えるでしょう。
残念ながら私の右耳後ろのうねりは、おそらく遺伝によるもの。母方の親族に共通した癖の出方であり、姉妹にもまったく同じ要素がありました。
また、まだダメージの蓄積されていない子供の頃からのものでしたので、この部分に関しては「個性」と考えるしかありません。
ただ、髪質は年齢や生活環境の変化、体質の変化などである程度変化することもあります。いつでもそうした変化に対応出来るよう、諦めず癖の強い部分にもケアを行うことでスタイリングのしやすい適応力のある髪を作っておくことが出来ますよ。
うねる部分にある髪をよく観察してみよう
部分によってうねり方が違うような気がする
このような場合、まずはうねる部分の髪をよく観察してみましょう。その「うねり方」によって、ある程度は原因を見極めることが出来ます。
- 波状毛(はじょうもう)
- 顔周りなどに現れやすい、波打つようなカールが出る癖毛です。軽いウェーブ状になる人もいれば、強いスパイラルパーマをかけたようなカールが出る人もいます。
うねりの部分がこの波状毛である場合、短い毛の場合は毛穴の歪みや詰まりといった「頭皮ダメージ」が原因であることが多く、ロングヘアの場合髪の内部の水分不足による「髪ダメージ」であることが多いようです。
- 連球毛(れんきゅうもう)
- 日本人の髪質にはあまり見られませんが、髪1本の中で太い部分、細い部分が現れ、中には数珠のような球状の髪になってしまっている強い癖毛です。頭皮ダメージによるものと考えられていますが、血行不良や不摂生な生活によって起こるとされています。
- 縮毛(しゅくもう・ちぢれげ)
- 波状毛よりも更に強く、細かいカールが現れてしまう状態です。火で炙ったかのような縮れた状態になり、ブローなどをしてもほとんど効果が現れません。
この場合は「頭皮・髪」両方にダメージがあると考えられます。全体的な縮毛の場合や子供の頃からのものである場合は遺伝要素が高いですが、急に縮れ毛が増えたという人は髪のダメージの許容量をオーバーしているかもしれません。
- 捻転毛(ねんてんもう)
- 髪1本がカールではなく捻れてしまっているのが捻転毛です。手触りがゴワゴワとした状態になり、太さが違って見えるためツヤも失われやすいのが特徴。主に毛穴詰まりや歪みによるものと考えられていて、加齢の影響も大きいと考えられています。
- 切れ毛や枝毛付近のうねり
- 髪ダメージによってキューティクル層が剥がれ、コルテックス層がむき出しになるとそこから水分バランスや脂質バランスが崩れます。それにより、切れ毛や枝毛部分の周囲の髪が一気にうねり出すことがあります。
うねり方は「1人一種類」ではありません。右側には波状毛タイプのうねりがあり、頭頂部に縮毛タイプ、左側に捻転毛…と複数のうねりが現れる場合もあります。うねる部分を軽く手でとかしてみて、自然に抜ける髪があれば良くそれを観察してみましょう。
髪のダメージによるうねりの主な原因
髪のダメージがうねりを起こしている場合、髪が「なぜ傷んでしまったのか」という根本要因に「あれかな?」と心当たりがある人も多いのではないでしょうか。なぜ髪が傷むとうねりが強くなるのかをご説明致します。
水分バランスの変化で髪が曲がる
タンパク質要素が強くなりすぎた場合髪は太く固くなり、捻転毛など太さバランスの偏った状態を作ります。
太さが違えば質量も異なるために、髪が一定の重さを保てずうねったり広がったりするわけです。
ドライヤーなどの熱ダメージによって髪が曲がる
スタイリング剤を付けてドライヤーの熱を当てながらブローすると、髪が思った方向にすっと曲がりますよね。原理的にはこの熱によるスタイリングと、熱による髪ダメージは同じものです。
日中の太陽光、乾かし過ぎのドライヤー熱などによってコルテックス層の水分バランスが崩れることによって、その時の生え癖や毛量などのバランスによってうねりが現れることがあります。
パーマ液やカラーリング剤は髪の内側のバランスを変えるもの
パーマ液やカラーリング剤が髪を傷めるというのはご存知のお方も多いと思いますが、これは「パーマ液などの薬剤が内側のバランスを変化させるから」なのです。
- パーマ液、カラーリング剤を髪表面に塗布
- 髪表面のキューティクル層が薬剤によって開かれる
- キューティクル層の隙間から薬剤が染み込み、コルテックス層の水分とタンパク質のバランスを化学変化させる
- 形状を変えたり、色素細胞に働きかけたりする
これがパーマやカラーリングの原理です。意図的に水分やタンパク質のバランスを変化させているのですから、通常よりも髪にとってはダメージが溜まります。
これらのことを繰り返し行い、かつケアも行っていなければ髪にとっては致命的な化学変化と言えるでしょう。
毛穴のダメージによるうねりの主な原因
髪のダメージとは反対に、あまり耳になじまない「毛穴のダメージ」とは一体どのようなことなのでしょうか?
地肌のダメージと髪のうねりの関係性についてイメージすると、案外こちらのほうが起こりやすい原因なのだということがご理解頂けると思います。
主な原因は髪のダメージと同じ
地肌はあまり目に触れないためイメージしにくいのですが、基本的には顔や手足と同じ「皮膚」です。ただ、体の中で最も多く毛穴が存在し、その分皮脂腺や汗腺も多く湿り気も高い部位とお考えいただければ良いかと思います。
地肌も皮膚である以上、熱、乾燥、薬剤などによってダメージを受けます。
顔の鼻や顎に角栓が溜まると、ザラザラとした手触りの毛穴が見えると思います。これも皮脂や汗が固まったものですから、それと同じ状態が頭皮にも起こっていると考えるとわかりやすいかもしれませんね。
髪の出口がこうした老廃物によって塞がれてしまうと、そこから出てこようとする新しい髪は不自然に圧迫されながら隙間から這い出るような感じで生えてきます。
まだ生まれたばかりの髪の細胞は柔らかいですから、この圧迫によっておかしな癖が残りやすいのです。これが結果的に捻転毛や波状毛などの癖毛を作るプロセスとなるのです。
加齢や地肌ストレスによって毛穴が歪む
また、これ以外にも地肌には様々なストレスがかかっています。
最も特筆すべきは体内にある活性酸素によって起こる「老化現象」、そしてそれに伴う毛穴の歪みでしょう。
- 活性酸素によって髪の赤ちゃん細胞が傷つけられる→髪のダメージに
- 活性酸素によって血行が阻害される→頭皮のダメージに
- 代謝力不足によって老廃物が溜まり毛穴が詰まる→頭皮と髪のダメージに
こうした活性酸素による悪循環が絶たれないままですと、やがてそのうねりや癖毛によって毛穴が歪んだり、たるんだりしてしまいます。
そしてその歪んだ毛穴から出てこようとする新しい髪の毛は、不自然な形に圧迫され再び癖がついた状態で伸び始めてしまうのです。
これが終わりのない無限の「うねりループ」の正体です。
うねりを改善したいという場合はまずは頭皮のケアから行うのがベスト。健やかな頭皮環境は育毛にも影響しますので、いずれ髪の毛のダメージにまで効果を発揮しますから、一石二鳥と言えるでしょう。
遺伝要素の高い癖毛なら美容師さんと協力を
髪のダメージ、頭皮や地肌のダメージは、そのダメージの元になる要因を除外したり予防したりすることで改善していく見込みがあります。
もしも遺伝的要素の高いうねりであっても、悲観することはありません。実は「まったく癖のない髪」を持つ人のほうが希少なのです。
美容師さんは日々色々な人の癖や髪質のうねりを見ていますし、今はそのうねりを抑えたり、逆に活かして個性を演出するなどのカット技術も沢山あるのだとか。
自分のうねりの癖や原因がわからないという方も、一度美容師さんなどプロの方に相談してみて下さい。きっと客観的な目で、うねりの原因と対処の仕方を一緒に探してくれるはずですよ。