櫛
静電気を防止する櫛って?昔ながらの和アイテムが超優秀って本当?!
髪の静電気も例に漏れず、冬場は毎日毎日ブラシと髪の戦いになっていたのですが、ここ数年では季節を問わず静電気が起こることも。
髪の静電気を防止するのに欠かせない「櫛」についてクローズアップしてみましょう。
Contents
髪をとかすとバチバチ…っ髪に静電気は大敵
髪に静電気が起きると一瞬でヘアスタイルも気持ちも台無しになる、という人も少なくないのではないでしょうか。
いまいちピンと来ない、という人も、一度静電気によって生じる髪への影響と原因についてチェックしてみて下さい。
せっかくのツヤ髪も一瞬で台無しに
丁寧にシャンプーをして、トリートメントをして、ブローをして…。きれいに仕上がったツヤや光沢のある髪も、静電気が起きると一瞬で半減してしまいます。
さらに、髪の表面に流れるプラスの電力と櫛の摩擦によって起こるマイナスの電力によって生じる静電気の力が髪の内部のタンパク質成分に働きかけ、うねりやクセが出やすい状態を作り出します。
その結果としても、ツヤや光沢は打ち消されやすくなるのです。
髪の乾燥を促進させダメージを加速させる
静電気が髪に与える影響で最も嫌なものが、ダメージを促進させるというもの。
髪表面に電流が流れることにより、髪に蓄えられている水分が減少してしまい、髪を乾燥状態にしてしまいます。
乾燥した髪はキューティクルが開き、バリア機能が低下します。
1度や2度の静電気程度ではそこまで深刻なダメージにはなりえません。
しかしブラッシングなどで毎日毎日静電気を生じさせていると、そのダメージが少しずつ蓄積されある日気がついた時にはパサパサのダメージヘアになっていた…というケースも多いのです。
原因は「髪」と「空気」と「櫛」の乾燥によるもの
静電気が起きる原因は、髪と空気、そして櫛の状態によって起こると考えられています。
しかし、外気が乾燥している冬、疲労や加齢、環境によって水分不足に陥っている乾燥状態の体では放電がされにくく、そこにマイナスの電力を生じさせている櫛を当てると反発し合って静電気が発生するのです。
冬に静電気が起きやすいのは、外気が乾燥しやすいため。
ですが筆者のように年中静電気が起きる、という場合には、体内の潤いも足りていない可能性があります。
そこに静物質である硬質の櫛をいきなり当てれば、静電気が起きるのは当たり前と言えるでしょう。
静電気を防止する櫛ってどんなものがあるの?
なぜ髪に静電気が起こるのかという仕組みはご理解頂けたと思います。では、髪に静電気を起こしにくい櫛というものはあるのでしょうか?
実は遥か昔から日本人に愛用されてきたあのアイテムが、静電気防止に非常に優秀な力を発揮するのです。
日本人の髪に合うのは昔ながらの「つげ櫛」が理想
つげ櫛、というものをご存知でしょうか。その名の通り柘植(ツゲ)の木から作られる、非常に櫛目の細かい櫛です。
古く万葉集の時代(平安時代)から親しまれていたほど愛用されてきた歴史が古いものですが、実はこのつげ櫛こそが「髪の静電気予防」にうってつけの逸品なのです。
このためプラスチックなどの硬質のブラシよりも髪にやさしく、かつ潤い補給にもなるため櫛を当てた瞬間の嫌なバチバチっという放電減少をほぼ抑え込むことが出来るのです。
また、日本人の髪質にもつげ櫛のしなやかさ、硬さが最適と言われています。
日本人の髪質は本来やや太く硬いため、つげ櫛の櫛目の細かさや適度な硬さが最も反発力を抑制しやすいとされています。
近年では静電気除去機能のあるブラシも多い
つげ櫛は基本的には「ストレート」または「天然のクセ毛」に向いている櫛といえます。
ウェーブヘアなどは櫛目が細かすぎるとその摩擦によってカールが落ちてしまうこともあるため、つげ櫛よりもやや目の粗いコームやブラシの方が良い場合があります。
こうしたヘアスタイルの人におすすめなのが、静電気を防止する機能を持ったヘアブラシ。最近では様々なヘアスタイルに合わせたアイテムが沢山開発されています。
この一工夫によって、硬質のブラシが髪に接触しても静電気が発生する前に放電させてしまうので、静電気による髪ダメージを最小限に抑えることが出来ます。
豚毛や馬毛などを使った天然毛タイプのものも優秀
「獣毛ブラシ」とも呼ばれる、動物の毛を使った天然毛タイプのヘアブラシも静電気予防にはオススメです。
さらに、豚毛や馬毛のブラシは私達人間の髪と同じく「タンパク質」で出来ているため、マイナスの電力を帯びにくく静電気が発生しづらいのです。
すでにダメージが起こってしまっている髪や頭皮にとってもこの獣毛ブラシの低刺激性は魅力的。静電気を予防しながら、ダメージケアを行える優秀なアイテムです。
塩化ビニル素材のものが一番静電気が起きやすい!
ここまでお読み頂いた方はほとんどおわかりかもしれませんが、髪にとって静電気を起こしやすいブラシは「塩化ビニル系の材質」、プラスチックやナイロンなどの硬質性ブラシです。
とても安価で、かつどこにでも販売されているため入手もしやすい身近なアイテムですが、髪に十分な潤いがないかも…と思われる方は避けたほうが良いでしょう。
体質的に乾燥しやすくなった、という原因と合わせて、ブラシの材質にも注目すると、根本原因を逃さず解決することが出来ますよ!
櫛にも髪にもひと手間を!静電気をぐっと押さえ込むテクニック
櫛を変えてもまだ静電気が起きる…という場合、ちょっとしたひと手間を加えることで静電気の発生率を格段に減らす事ができます。
乾燥体質で真冬には静電気除去ブラシでさえ静電気が起きる…という筆者も、このひと手間対策で7〜8割減に出来た美容師さん直伝の技をお伝えしちゃいます。
櫛にシュッと水分をプラス。乾燥による帯電を水で抑える
静電気は乾燥した空気、髪、櫛によって起こるということは先述した通りです。
- 霧吹きで髪表面に軽く水分を吹き付ける
- 使うヘアブラシにも水分を1プッシュ程度しておく
- スタイリングする部屋にも霧吹きで適度に湿度を与えておく
全部やる時間はない!という方は、この内の1つだけでもだいぶ変わります。
ただし、ひとつ注意点があります。
つげ櫛など「木」の櫛を使う場合、水分は実はご法度。
木という性質上、水分が大量に触れると膨張し、ひび割れやささくれなどの原因になり櫛の寿命を縮めてしまいます。
木の櫛を使う時は、髪表面に水分を軽く吹き付け、手で軽くなでつけ過剰な水分をふきとりましょう。また、ブラッシングをした後に櫛についた水分をしっかり乾拭きし、薄く椿油などを塗り込んでおくと櫛を傷めず長持ちさせられます。
髪の水分を逃がさないよう洗い上がりにオイルケアをプラス
髪に櫛を通す前のヘアケアもワンポイントです。
このヘアケアに最適なのが「オイルトリートメント」です。
洗った髪の表面に油分を薄くつけ、ドライヤーで乾かします。油分でキューティクルにフタをすることで、髪内部からの水分蒸発を防ぎ静電気の発生を抑えます。
静電気リスクは一年中ある!夏の室内にも油断大敵
髪の乾燥や櫛の乾燥についてどれだけ注意していても、外気の乾燥まではコントロールしにくいものです。
日本においては、冬は乾燥しやすく夏は湿気が多い気候だと言われておりますが、現代ではあまりその方程式にはマッチしない環境が沢山あります。
夏場にエアコンの効いた涼しい場所に長時間滞在したら、静電気予防が出来るブラシでヘアケアをするのを忘れないようにして下さいね。