脱毛症
牽引性脱毛症の原因・症状と対策。オシャレが薄毛の原因に!
まだ若いし、特に全体の抜け毛が増えたわけでもないのに、分け目だけが気になるという人は「牽引性脱毛症」の可能性があります。
牽引性脱毛症ってあまり聞いたことがないため、どんな病気なのかと不安になってしまいますが、ヘアスタイルが影響して部分的に脱毛してしまうことを言います。
特に、オシャレに気を使っている女性がなりやすい牽引性脱毛症は年齢関係なく症状が出るので、若い頃から気を付けなくてはいけません。
牽引性脱毛症は、どういうことが原因で起こる症状なのでしょうか。
Contents
オシャレ女性は危険!牽引性脱毛症は年齢関係なく起こる
女性はオシャレをする時、服装やメイクだけではなくヘアスタイルも変えます。
結んだり染めたりとしますが、そのオシャレが原因で脱毛を起こすことがあります。それが「牽引性脱毛症」」です。
牽引性脱毛症とは、髪の結び目や分け目など、髪の毛を強い力で引っ張ることで髪が抜け、その部分が脱毛を起こすことを言います。そのため、女性に多い症状の1つと言われています。
抜け毛による薄毛というと加齢が原因と思われがちですが、牽引性脱毛症は年齢関係なく起こる症状のため、若い人では10代でもこの症状に悩んでいる人もいます。
症状としては、引っ張られた部分の毛包が委縮することで、髪の育成がストップしてしまい髪が抜けても生えて来なくなってしまい分け目が目立つようになります。
しかし、症状が悪化すると薄くなるだけではなく毛がなくなってしまうこともあります。
あなたは大丈夫?牽引性脱毛症になる9つの原因
牽引性脱毛症は、毎日何気なくしているオシャレが原因で起こる症状です。
私は大丈夫と思っていても、もしかすると自分がやっているオシャレも牽引性脱毛症の原因かもしれません。
特に、ヘアスタイルを気にする女性は牽引性脱毛症の原因を覚えておきましょう。
その1.髪を高い位置で強く結ぶ「ポニーテール」
髪の毛を1つにまとめる時、よくポニーテールをすることがあります。
低い位置で結ぶより高い位置でポニーテールにする方がオシャレですし、男性の中にはポニーテールが好きという人もいます。
ポニーテールは、緩く結ぶと結び位置がどんどん落ちてきて格好悪くなります。そのため、髪を強く結びます。
時々であれば問題ありませんが、ずっと強い力で髪を結んでいると結び目の毛髪や皮膚にかなりの負担を与えるため、脱毛してしまいます。
ポニーテールの場合、前髪と結ぶ髪の境目部分に力がかかるため、その部分が脱毛しやすくなります。
その2.髪を強い力で引っ張り編み込んでいく「三つ編み・編み込み」
ポニーテール同様、三つ編みや編み込みも髪を強い力で引っ張ることで牽引性脱毛症を起こる可能性があります。
三つ編みの場合、緩めの結び方であれば負担は軽減できますが、学校の校則などで決められたきっちりとした三つ編みを長時間していると、後頭部部分の髪の分け目部分に負担がかかり脱毛してしまいます。
また、編み込みは強い力で編み込んでいくため、三つ編みよりも大きな負荷がかかるため脱毛しやすくなります。
広範囲に編み込みをしている場合、部分的な脱毛ではなく広範囲の毛が抜けてしまうので、薄毛に繋がる場合もあります。
その3.髪の長さやボリュームをプラスする「エクステンション」
髪の量を増やしたり、髪の長さを変えるために若い世代に流行っているのがエクステンションです。
エクステンションには主に、次のような取り付け方法があります。
- 編み込み
- シリコンキャップ
- シール
一見、牽引性脱毛症とは関係ないように感じますが、エクステンションを地毛の根元に付けると、長期間エクステンションの重みが髪や頭皮にかかります。
ずっと引っ張られている状態が続くため、最悪の場合エクステンションを付けた毛束事抜けてしまうこともあります。
また、今は症状が出ていなくても常にエクステンションを付けていると毛根自体が弱ってしまい、抜け毛や薄毛の原因にもなります。
エクステンションの場合、毛束ごと抜けてしまうこともあるため、回復するのにかなりの時間がかかります。
その4.流行りのヘアスタイル「お団子ヘア」
長期間流行っているのが、後頭部部分で髪をまとめるお団子ヘアです。
お団子ヘアの場合、髪の毛を後頭部部分で1つにまとめて丸めます。そのため、力が一転に集中してしまい頭皮や髪へ負担をかけてしまいます。
また、お団子ヘアの場合、緩くすると髪型が崩れてしまうので、かなりしっかりと髪を結ぶためポニーテール同様、前髪と結ぶ髪の境目部分が脱毛しやすくなります。
その5.オシャレのために使う「カチューシャ・ヘッドアクセサリー」
牽引性脱毛症は、髪を結ぶだけが原因ではありません。カチューシャやヘッドアクセサリーもかなりの負担になります。
カチューシャやヘッドアクセサリーは使い方によっては髪をかなりの力で引っ張ってしまうことがあります。
カチューシャやヘッドアクセサリーは、時々の使用ではあれば問題ありませんが、毎日使う場合は使い方や使用場所を変えるなどの工夫が必要です。
その6.巻き髪や真っ直ぐストレートに欠かせない「ヘアアイロン」
巻き髪や真っ直ぐストレートにするのに欠かせないのが、ヘアアイロンです。今では、年代関係なくヘアアイロンを使っている女性が増えています。
ヘアアイロンというと、髪の毛を傷めるというイメージですが、それだけではありません。
髪を巻く時、または真っ直ぐのストレートにする時に髪を引っ張っています。これを毎日続けていると、頭皮や髪の毛はかなりのダメージを受けていきます。
ポニーテールや三つ編みと違い、髪全体を巻き髪やストレートにするため、頭皮全体にダメージが加わるため全体的に髪が薄くなっていきます。
その7.分け目がずっと同じ・髪をかき上げるクセがある
髪の毛への負担は、結ぶだけではなく髪をかき上げたり同じ分け目にしていると、自然と負担がかかり牽引性脱毛症になります。
特に、髪をかき上げる時、髪を引っ張っているのでかき上げる部分が脱毛しやすくなります。
また、分け目も特にロングヘアで同じ分け目にしているとかなりの負担がかかり、脱毛しやすくなります。
よく「分け目部分だけ薄毛が気になる」という人がいますが、分け目部分だけが目立つ場合は、牽引性脱毛症の可能性が高くなります。
その8.ブラッシングをする時に力を入れている
ブラッシングをする時、無理に髪を梳かすと頭皮や髪に大きな負荷を与えます。
- 髪が濡れている時に髪を梳かす
- 絡まっている髪を無理に梳かす
- 髪の根元から力を入れて髪を梳かす
上記のような状態でブラッシングをすると、髪を結んだりしていなくても牽引性脱毛症に繋がります。
育毛には頭皮に適度な刺激が必要と、ブラシで頭皮から髪を梳かす人がいますが。ブラッシングの時に力を入れても、頭皮のマッサージにはなりません。
その9.冷えや栄養不足からくる「血行不良」
ポニーテールや編み込み、エクステンションのような頭皮や髪に強い力を与えると牽引性脱毛症になると言われていますが、これだけが原因ではありません。
- 頭皮の血行が悪い
- 髪に必要な栄養が行き届いていない
頭皮や髪が上記のような状態だと、ちょっとした力でも牽引性脱毛症になる可能性があります。
今から予防を!牽引性脱毛症にならないための予防法
牽引性脱毛症は、年齢関係なく起こる症状です。若いから大丈夫ということではありません。
今、牽引性脱毛症の症状がなくても、上記で説明したようなことをしていると、いつの間にか症状が出てくる可能性もあります。
そうならないためには、どういった予防をすればいいのでしょうか。
その1.同じ髪型ばかりせず、ヘアスタイルや分け目を変える
牽引性脱毛症は、同じヘアスタイルをすることで起こる可能性が高くなります。特に多いのが、同じ分け目です。
つむじの関係などで分け目を変えることが難しいと、ずっと同じ分け目のままという場合があります。
分け目を日によって変えるだけでも、頭皮への負担が減るため牽引性脱毛症を緩和することができます。
オススメなのが、「ジグザグ分け目」です。分け目をジグザグにすることで、牽引性脱毛症の予防だけでなく髪のボリュームもアップします。【画像2-1】
また、長期間ロングヘアでいると、重みで牽引性脱毛症になる可能性があります。
いきなりショートヘアにするのは難しいと思いますが、少しでも長さを短くするだけで重さが軽くなり、頭皮への負担も軽減されます。
ポニーテールにする場合も結ぶ高さを変えたり、お団子ヘアの場合はきつく結んでお団子にするのではなく、ゆるくまとめるだけでも頭皮への負荷は違ってきます。
その2.シャンプー後に頭皮マッサージをする
シャンプーをして髪を乾かした後、頭皮は温かくなって血行が良くなっています。
この時にマッサージをプラスすることでさらに血行が良くなり、髪の成長を促します。
頭皮のマッサージといっても、頭皮を揉み解して柔らかくするといったイメージです。マッサージは、襟足から後頭部に向かって(下から上)行います。
指の腹を使い、くるくると円を描くように下から上へ向かってマッサージをしていくだけです。
この時、力を入れてすると頭皮へのダメージになるので力を入れないようにするのがポイントです。
頭皮が柔らかくなると、血行が良くなり髪の毛も育ちやすい頭皮になるので、毎日必ずマッサージをするようにしましょう。
その3.髪に必要な栄養素を摂取する
頭皮や毛根に強烈なダメージがあると、髪型を変えるだけで牽引性脱毛症を緩和することができません。
また、強い髪の毛を育てるためにも髪に必要な栄養素を摂取する必要があります。
- ビタミンB群
- ビタミンE
- たんぱく質
- 亜鉛
- パントテン酸
こういったものを含むものを積極的に摂取しましょう。
毎日、バランスよく必要な栄養素を摂取するのが難しい場合は、サプリメントを上手に使いましょう。
最近は、髪の育成に特化したサプリメントもいくつか販売されています。そういったもの上手に使うと便利です。
その4.髪を梳かす時に無理矢理引っ張らない
髪を梳かす時、多少絡まっていても大丈夫と髪を根元から引っ張りながら髪を梳かしていませんか?
髪の毛は根元から力いっぱい梳かすと、髪を結んでいる時と同じように頭皮に大きな負荷をかけてしまいます。
髪の毛は、毛先から絡まりをほぐして髪の毛を梳かしていきます。また、髪を根元から梳かす場合は力を入れないようにします。
あまり無理に髪を引っ張りながら髪を梳かすのは危険です。
その5.髪をかき上げたり引っ張るクセは治す
時々、髪をかき上げるのは問題ありませんが、頻繁に髪をかき上げると牽引性脱毛症の原因となります。
また、次のようなクセも牽引性脱毛症の原因となる可能性があるので、注意が必要です。
- 髪を指に巻き付けるクセのある人
- 枝毛などを探すため少量の毛束を目の前まで引っ張ってくるクセのある人
- 少量の毛束をつまんで引っ張るクセがある人
クセを治すのは難しいかもしれませんが、ちょっとしたことが牽引性脱毛症の原因になるので、頑張って治すようにしましょう。
自分で治らないなと感じた場合は、友達などに相談してクセが出た時には注意してもらうようにするなど工夫をしましょう。
その6.育毛剤を使って頭皮環境を良くする
育毛剤というと、髪が薄くなってから使うというイメージがあります。
もちろん薄毛対策で育毛剤を使いますが、健康で丈夫な髪の毛を維持するためにも育毛剤は使うことができます。
今、まだ症状が出ていなくても育毛剤などを使って髪の毛のケアをしていれば、牽引性脱毛症を予防することができます。
また、牽引性脱毛症の場合、普通の抜け毛や薄毛と違うため、薄くなってから育毛剤を使ったからといって症状が完全に治るわけではありません。
まず、牽引性脱毛症の原因であるヘアスタイルなどの改善が必要となります。
牽引性脱毛症の場合、そういった処置で髪の毛は生えてくる人がほとんどです。しかし、髪の毛が生えるまでにはサイクルがあるため、すぐに髪の毛が生えて髪が伸びるというわけではありません。
3か月ほどすれば、産毛が生えてきて髪の毛が戻ってきます。しかし、それでも症状が改善しないことがあります。
それは、頭皮や髪の毛、毛根へのダメージが大きく改善が見込めなくなっている場合です。
そういった場合は、ヘアスタイルの改善と共に、髪の毛を育ててくれる育毛剤を使う必要があります。
牽引性脱毛症の場合、次のような効果のある育毛剤が最適です。
- 血行促進
- 頭皮を柔らかくする
- 頭皮に潤いを与える
また、育毛剤の中には男性しか使えない物などもあります。必ず購入の際は、女性が使えるものを選ぶようにしましょう。
牽引性脱毛症は気を付けることで予防することができる
薄毛や脱毛というと、病院に行かないと治らないものというイメージがあります。
しかし、牽引性脱毛症は頭皮や毛根などに力を加えたことで起こる脱毛なので、気を付けることで予防をすることができます。
また、その症状が出てきた時も、すぐに対処をすれば治すこともできます。
女性は、ヘアスタイルもいろいろと楽しみたくなります。そのオシャレが原因で脱毛になることがあることを覚えておくだけでも、牽引性脱毛症の予防に繋がります。