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頭皮ケア

頭のツボって何種類?自分でも効果を実感出来る方法とは

特別な病気があるわけではないけど、なんとなくつらい…という状態を少しずつ改善する効果があるのが「ツボ押し」です。

東洋医学が近年若い世代でも見直され、色々な美容誌やテレビ・メディアでも取り上げられています。

「ちょっとむずかしそう…」というイメージがあるツボ押しですが、コツを掴むと思い立った時にすぐ出来る非常に優れた緩和術にもなりえるのです。いくつかのポイントをまとめましたので、ぜひツボ押しのポイントを習得してみて下さい。


頭には無数の「経穴(ツボ)」がある

ツボと一言で言っても、実は無数といっても過言ではないほどの種類があります。

人体は骨、神経、筋肉、血管など様々な細胞を組み合わせて作られており、その組み合わせのつなぎ目にツボが存在していると考えられているのです。

全身には660、頭だけでも23のツボ

経穴(ツボ)は、頭の先から足指の先までくまなく存在しているとされ、中医学としてWHO(世界保健機構)に認知・推奨されている経穴はなんと361点にも及びます。

東洋医学は様々な流派があるため、これ以外にも存在を主張されるツボもあり、それらを含めると660点とも言われていますが、世界的に認められている361点だけでも覚えきれないほどの数でしょう。

この361点の内、23点が頭部に存在するツボです。

ここでいう頭部とは髪の生え際〜耳周り〜襟足までですが、この23点以外に顔面、首にも経穴が存在します。

全身に効く万能ツボからピンポイントの対策ツボまである

ツボの効果にもいくつかの種類があり、大きく分けると

  • 全身に効く「万能タイプ」のツボ
  • ピンポイントに効く「対策タイプ」のツボ

に分けられます。

ただ、対策タイプのツボは「原因が明らかにその一点にある」場合には強力な効果を発揮しますが、一般の人は原因がその一点のみなのかどうかは自己判断が難しい場合が多くあります。

そのため、自分のセルフケアとしてツボ押しを行うのであれば「複数の原因に効果的」とされる万能タイプのツボから覚えたほうが良いとも言えるでしょう。

紀元前から研究されてきた医療行為のひとつ

ツボ押しは遥か紀元前から実際に医療行為として王族、庶民問わず幅広く実践されてきたものです。

現代では鍼などを用いるツボ押しは国家資格が必要なほど専門的に研究されているものですが、いくつかの簡単な万能ツボは器具を用いず、軽いマッサージでも効果を実感できる非常に庶民的なマッサージ行為でもあります。

そのため信頼感も高く、かつ気軽に自分でも行えるポイントも多いため色々な実践本やマニュアルも出回っています。

ただ、この昔から行われてきた手段にはいくつかのコツもあります。

より高い効果、気持ちよさを得るためには練習や慣れも必要になってきますので、焦らずじっくりと「正しいポイントをコツを踏まえて」押せるよう練習を繰り返してみて下さいね。

自分でも出来る?効果的なツボの押し方

ツボそのものをご紹介する前に、ツボ押しのコツについてポイントをチェックしましょう。

どのツボについてもこの押し方でかなり体への響き方が変わります。プロも実践するコツですので、ぜひ意識して練習してみて下さいね。

使うのは指の腹のみでOK!第一関節で押さないよう注意

基本的に、ツボ押しの時は「指の腹」を使うというのは耳にしたことがあるという方も多いと思います。

ここでよく間違われるのが、指の腹の「位置」です。

指の腹は指先から第一関節の間の、一番肉厚に感じる部分になります。個人差もあるため、肉厚になっている部分が中央である方もいれば、やや外側、やや内側に偏っている人もいるのです。

自分の指の腹全体を軽く触れてみて、どの部分が一番弾力があるか確認してみて下さい。

また、関節が硬くあまり反らないタイプの人は、第一関節の骨の部分でツボ押しをしようとする人もいます。

このやり方は確かに刺激が強く入るので「効く!」と感じるのですが、続けているうちに第一関節部分に炎症を起こし指が痛くなりやすい方法です。

関節の炎症がひどくなると、曲がりにくくなったり伸ばしにくくなったりする「ばね指」などの症状が起こる場合もありますので、第一関節で刺激するのは控えて下さい。

力の方向と圧の入れ方がポイント

ツボ押しに使う指のポイントが分かったら、実際に押してみましょう。

ほとんどの人は、「1」で入れて「2」か「3」あたりで力を抜くのではないでしょうか。

間違いとも言えませんが、ツボ押しの場合「ゆっくり入れて、ゆっくり抜く」「力の方向は体の中央に向ける」という2点がポイントです。

特に力の方向が重要で、これがズレてしまうと気持ちよさも半減してしまいます。

頭部の場合、ぐっと指を押し込んだら脳の中心に向かうように力の方向を調節してみて下さい。ジーン、と奥に響くような痛気持ちよさを感じればOKです。

1ヶ所につき「3・5・3」のリズムで

ゆっくり入れて…というのは感覚的な問題もありますし、心地よさを感じるタイミングも若干の個人差がありますが、大体の場合は「3・5・3」のリズムで押していくと良いと思います。

3秒かけて中央に力を加えていく
指の腹をツボの押し当てたら、ゆっくり息を吐きながら押し込んでいきます。「1,2,3」と頭の中で数を数えながら、3秒目に押し込める限界に到達するようにしてみて下さい。
5秒かけてためる
押し込める限界まで刺激を加えたら、そこで5秒ためます。呼吸は止めないようにしながら、ゆっくりと数を数えて下さい。
3秒かけて力を抜く
ためが終わったら力をゆっくり抜いていきます。呼吸をしながら、じんわりと「1,2,3」と力を入れるのと同じスピードでカウントして下さい。じわっと皮膚が戻ってくる感触が指の腹に伝わるくらいの意識をしてみると良いと思います。

これを1回として、1ヶ所のツボに大体3〜5回ほどくり返します。指の力が弱い人は、為の時間も3秒にして「3・3・3」のペースにしてみて下さいね。

注意!ツボ押しをしてはいけない場合もある

ツボの押し方もわかったし、早速トライ!…の前に、まず「自分がツボ押しをしても良い状態か」を確認してください。

つらさの原因の中にはツボ押しをすることで、より悪化してしまう病気が潜んでいる可能性もあるのです。

  • 激しい頭痛
  • 吐き気やめまいを伴う頭痛や耳鳴り
  • 内・外出血を伴う打撲、傷
  • 腫れや熱発をともなう怪我のある部位
  • 医師にマッサージなどを止められている人

特に頭部のツボ押しで注意したいのが、激しい頭痛や吐き気やめまいを伴う頭痛のある時です。これらの症状の中には、脳周囲に異常が起こっている場合や、血管の詰まり、出血などが隠れていることがあります。

この場合、ツボ押しの刺激でより悪化し、最悪の場合命に関わることもあります。迂闊な刺激はせず、救急車などの手配をし安全に病院へ行くようにして下さい。

また、打ち身、打撲などでアザが出来ている、出血している患部のツボ押しも避けましょう。炎症がひどくなり、治りが遅くなることがあります。

上記に上げた以外にも、体になんらかの異変が考えられる場合、まずは医師に相談して下さい。ツボ押しは血流を良くしますが、高血圧など持病がある人にとっては心臓に負担をかける可能性も否定は出来ません。

どのツボがどんな効果を生み出すの?症状別にチェック

では、頭部にあるツボで自分でも簡単に押せる、オススメのツボをご紹介致します。

先に述べた通りツボの効果はそれぞれ異なりますが、ご紹介するツボはすべて「万能タイプ」のツボ。押して悪いものはあまり無いので、ぜひ気軽にトライしてみて下さい。

万能ツボのひとつ「百会(ひゃくえ)」

数種類ある頭部の万能タイプツボの中でも、最もポピュラーで色々な不調に効果があるとされているのがこの「百会」というツボです。

  • 肩コリ、首コリ
  • 目の疲れ
  • 自律神経の乱れ
  • 胃腸の不調
  • 頭痛、慢性頭痛
  • 倦怠感、眠気、気力回復
  • 白髪、抜け毛の予防

なんとなく疲れが取れない、ダルい…という時にも効果的なので、日常のボディメンテナンスに取り入れてもOKです。

<百会の探し方>

鼻の一番高いところから後頭部に向かう線(正中線)と、両耳の一番高いところから頭頂部(あたまの天辺)に向かう線のちょうど交差する位置にあるくぼみです。押すとズンと響くような刺激が感じられます。

頭痛や肩コリ、風邪予防に「風池(ふうち)」

次に覚えてほしいのが「風池」というツボです。体の邪気(風邪)が溜まる池のようなポイントと考えられており、風邪などの日常的な病の予防に効果があるとも言われています。

  • 風邪予防
  • 微熱や倦怠感
  • 咳き込み、のどの不調
  • 頭痛
  • 首コリ、肩コリ
  • 自律神経の乱れ
  • 目や耳の不調

予防効果の高い風池も、百会と同様日常的に使って良いツボのひとつです。ただし、頚椎に異常が在る方(むちうち症やヘルニアなど)は強く押すと刺激が出すぎることがあるため注意が必要です。

<風池の探し方>

首の真後ろの太い筋(首の骨のすぐ横にあります)と、襟足の生え際が交差するポイントのくびみです。親指の腹がすぽっと入るところを見つけたら、脳の方向へぐっと押し上げて下さい。

後頭部痛や肩コリ、眼精疲労に「天柱(てんちゅう)」

風池にほど近いもうひとつの万能ツボが「天柱」です。予防効果の高い風池より、緩和効果が高いと言われており「頭痛を鎮めたい」などに即効性があると考えられています。

  • 頭痛、緊張型頭痛の緩和
  • 首コリや肩コリ
  • 不眠
  • 自律神経の乱れ
  • 眼精疲労
  • 顔のむくみ、目の充血

<天柱の探し方>

風池よりやや首の骨寄りの内側に位置しています。風池を見つけたら、指1本分内側にずらすだけで当たりますので、風池とセットでツボ押ししてみましょう。

首コリや肩コリ、頭の鈍痛やだるさに「完骨(かんこつ)」

風池、天柱と同じく首と頭蓋骨の境目にある「完骨」も、頭痛や神経的な疲労感に効果があります。気圧変化によって頭痛が生じやすいという方も、この完骨を刺激することで後頭部周囲の神経が鎮まり楽になることがあります。

  • 頭痛、緊張型頭痛の緩和
  • 気象病(気圧変化による不調)
  • 首コリ、肩コリ
  • 耳鳴り、めまい
  • 顔のむくみ
  • 血流の向上

<完骨の探し方>

天柱より更に内側に指1本分ずらします。ほぼ首の骨に沿った位置にあるくぼみです。自律神経が疲れている人などは、くぼみが大変浅くなってしまっている場合もあります。風池、天柱、完骨、と指を襟足の生え際に沿って移動させながら刺激して下さい。

耳鳴り、めまい、目の充血に「和りょう」

顔の周りにも無数のツボがありますが、最も押しやすく探しやすいツボが「和りょう」です。様々な症状に対しての有用性だけでなく、顔色が良くなる、むくみが薄れるなど美容的効果も期待が大きく持てる万能タイプのツボです。

  • めまい
  • 耳鳴り、耳の閉塞感
  • 目の疲れ、眼精疲労、充血
  • かすみ目やピント調節の不調
  • 目の周りのむくみ、輪郭のリフトアップ
  • 顔面の血行促進
  • 耳周りに増える白髪の緩和

リフレッシュ効果も高く、かつ即効性も感じられる非常に優秀なツボです。仕事の合間などにも押しやすい部位なので、ぜひ覚えてみて下さい。

<和りょうの探し方>

耳の前、もみあげ部分を優しくなぞると、軽く飛び出た骨に触れられます。その骨のすぐ上にくぼみがあり、脈拍を感じられる場所が和了です。親指だと押しにくい場合は、人差し指や中指を使いやや斜め上の脳に向かって押し上げます。

抜け毛予防にも!「しん会(しんえ)」

あまり有名ではないのですが、男性にも女性にもおすすめなのかこの「しん会」というツボです。

他の万能タイプのツボと同様、めまいや頭痛に効果が高いのはもちろんのこと、加齢や血行不良による脱毛を予防・緩和できる効果にも期待が出来ます。

  • 血行不良によるめまい、疲れ、立ちくらみ
  • 慢性鼻炎、鼻詰まり
  • 頭痛の緩和、頭重
  • 不眠
  • 頭皮の血行促進、抜け毛予防
  • のぼせ、鼻血

更年期などでホットフラッシュが起きやすい人にもおすすめのツボです。疲労感が取れない…と言う時に、リラックスしたい時にといつでも出来る部位であるのも魅力的です。

<しん会の探し方>

百会と同じく、鼻の一番高いところから後頭部に向かう延長線(正中線)上にあります。額の生え際から、親指の横幅2本分を取ったやや額に近いツボです。やや刺激が強いポイントになるので、ゆっくりと押し込みゆっくりと離す、というリズムを意識して下さい。

アンチエイジングに「神庭(しんてい)」

近年「美容鍼」などというジャンルもポピュラーになりつつありますが、美容対策にもツボ押しは有効です。

血行促進とホルモンバランス(内分泌)を整えるため、疲れや加齢などによって乱れやすい体のめぐりを整える効果が高いのです。

  • 緊張による疲れ、頭痛
  • 目の周りのむくみ、クマ
  • 首コリ、肩コリ
  • 顔のむくみ、たるみ
  • 頭皮の血行不良によるたるみ、疲労感
  • ホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れ

特にホルモンバランスはちょっとしたことで崩れやすいナイーブな機能です。

分泌のバランスが崩れることで、一気に年齢による悩みが加速することもあるので、エイジング対策としても神庭のツボをしっかりと覚えてみて下さい。

<神庭の探し方>

鼻の一番高いところから後頭部までの延長線(正中線)を辿り、髪の生え際から親指1/2幅後頭部寄りにあります。ほぼ生え際と考えて頂いても問題はありません。片手だと効きが弱い場合があるので、両手の中指の先で一箇所をぐっと押し込むように押してみて下さい。

温めながらツボ押しをするとより効果アップ

気軽にいつでも自分で出来るのが魅力でもあるツボ押しですが、可能であれば更に効果をアップさせる方法として「温めながら行う」のもオススメです。

入浴しながら、お風呂上がりに…というのももちろん良いですし、ホッカイロなどで首筋を温めながら頭部を刺激したり、アイピローなどで目を温めながら刺激するのもより深くリラックスが出来ます。

西洋の医薬品のような即効性はあまりありませんが、根気よく継続することで根本的なお疲れの改善に繋がりますので、ぜひこれを読みながらツボ押しの練習をしてみて下さいませ。

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